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「綺麗。桜がキラキラしてるね」



風に踊る桜の花びらをみて言う彼女に、おれは首をかしげる。




「キラキラじゃなくて“ひらひら”じゃないの?」




疑問を投げかければ、彼女はへらっと笑い、また風に乗って遠くをみつめる。
靡く髪が太陽の光に反射して黒がより艶を増す。
綺麗だ、と。言いかけたのを咄嗟に躊躇う。
気恥ずかしさが勝るおれはまだまだ子どもなのかもしれないけど。




「すごく、キラキラしてるよ」




遠くを見つめたままの彼女の瞳は、本当にキラキラと輝いているようで。


まだまだ子どものおれたちだけど、
幸せだと心から思う。










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