★どろどろ純愛ハート(サンプル)


P152 / ¥1100 / A5 / オンデマ / 2014.06発行

学パロの沖田×千鶴。ほんのり転生要素あり。
千鶴へ強い執着心を抱いて多々やらかす総司と、鈍感過ぎて総司の仕業だと気付かず総司ラブを拗らせていく千鶴の話です。

※総司が千鶴に対して悪質なことをしています※
※ペーパーSS「すとーきんぐっ!」シリーズ1〜5の加筆修正+書き下ろしです※

※文字サンプルは一部改変したり、ウェブでも読みやすいように改行を増やしています※






★画像サンプルはお手数ですがこちら(Pixiv)をご覧ください。



薄桜学園には一台だけ公衆電話がある。
今時それを必要とする者は少なく、来賓用玄関に程近い屋内にひっそりと、存在を忘れられたように設置されていた。
総司とて、つい最近まではその存在を忘れていた側の人間だ。
むしろ「知らなかった」と言った方が正しいだろうか。
だけど、ここ暫くはお世話になっている。
学校以外にも駅前、街頭、公共施設、その他諸々。
設置場所には詳しくなったものだ。

十円玉を一枚握り締め、鼻歌混じりにそこへ向かう。
今は授業中で、総司のように暢気に廊下を歩き回る生徒や教師はおらず、また、学園を訪れる客などもいない。
ちゃんと気を付ければ誰の目に触れることもなく、あれを実行に移すことができるのだ。

彼女のことは可哀想だと思うし、傷つけてしまうことへの罪悪感はある。
けれど、仕方がないのだ。
だってこんなにも努力しているのに、まだ振り向いてくれない。
そろそろ気を許してくれたと思ってデートに誘ったのに、遠回しに二人きりを拒絶された。
だから咄嗟に、他にも人がいると嘘を吐いたら、あっさりと行くと言い出した。
それだけで傷心気味だったのに、当日誰も来ないことを知るや、また逃げ出そうとした。
結局楽しい一日を過ごすことはできたけれど、千鶴との距離が思っていたよりも随分と遠いことを実感して、まだまだ努力が必要だってことを理解した。
でも、めげない。
まだ始まったばかりだから。
彼女の中で自分の存在をもっともっと大きくするために、今はただコツコツと積み重ねるだけだ。


***


ホームルームが終わった放課後の教室。
クラスメイトたちは一斉に部活へと向かって、千鶴は一人ぽつんと帰り支度をしていた。
その途中で自分の携帯電話を見詰め、溜息を吐く。
授業中はマナーモードにして、カバンの中に仕舞っている。
振動しないように設定しているため、電話やメールがどれだけ来ても、授業に差し障りはない。
いつも授業が終わった後にいちいち画面を開いて、何か連絡が来ていないかの確認をしていた。
最近はそれが億劫になって、ある種の悩みの種になっている。
本当は誰かに打ち明けてスッキリしたいけれど、でも自分だけで解決すべきだろうとも思い、一人抱えるしかなかった。

千鶴の携帯電話。
その画面に映し出されているのは、非通知番号もしくは公衆電話からのずらりと並んだ着信だった。
それらだけで履歴の全てが埋まってしまったのは、もう半月も前だ。
頻繁に、何度も何度も電話がかかってくる。
今日も相変わらず授業中に数件の着信があった。

千鶴は高校入学を機に携帯電話を持ち始めた。
だから電話帳に登録してある人たちも、千鶴が番号を教えた人たちも、中学高校の同級生が大半だ。
そんな人たちが授業中とも言える時間に公衆電話からわざわざ電話など掛けるとは思えない。
だからこの不審な着信の相手は、千鶴の知らない人ではないかと考えていた。

心当たりは、ある。
本当にそれが原因なのかは不明だけど、あのときに何かがあったとしか思えなかった。
初めてこのような着信があったのは、先月。
総司と映画を観に行った日の夜遅く。
最初はただの間違い着信だと思って気にしていなかったのだが、その後、数日置きに着信が続くようになり、これは嫌がらせなのだろうと気付いた。

だけど、これと言った実害があるわけでもない。
ただ気分が悪くて、不気味になるだけだ。
早く悪戯の主がこの行為に飽きて、止めてくれたらいいと思っている。
その日が来るのを我慢しながら耐えていこうとしていたのだ。
それなのに――


「僕でよければ相談に乗るよ」


ある日の放課後、下校途中。
総司が突然そんなことを言い出した。
「最近元気ないよ」と心配されて、「何かあった?」と気遣われて、安心させてくれるような微笑みを浮かべられる。
総司とは、廊下で擦れ違うだけの日もあれば、放課後たまたま一緒になって下校する日もある。
一日会わずに終わる日もあれば、何度もバッタリ会う日もある。
それでも学年やクラスが違うわけだから、共に過ごしている時間は少ないはずだ。
千鶴はこのことを誰にも言っていないし、悟られないようにしていた。
それなのに、まさか時々会うだけの総司が真っ先に気付くなんて、思ってもみなかった。
本当はこのまま誰にも言わずに解決したかったのだが、迷惑な着信に随分と悩まされ、きっと精神的に参ってしまっていたのだろう。
千鶴は総司の優しい申し出に、おずおずと携帯電話を差し出した。

「これ…………ずっと続いていて」

画面を覗き込んだ総司が眉を顰める。
実は、何度か思い切って電話に出たことがあった。
例えばただの操作ミスや、カバンの中で勝手に発信ボタンが押されただけとか、そんな結果を期待して、スッキリしたかったからだ。
だけど違った。
電話の相手は問いかけても終始無言で、時折鼻で笑うかのような息遣いがわずかに聞こえる。
気味が悪くて通話を切ると、またすぐに掛かってきた。
それが何度も何度も繰り返される。
酷いときには一時間で二桁もの回数の着信があったのだ。

いい加減に怖くなって、電源を切り続けていたこともある。
でも結局電源オフの間の着信数も、着信サービスからの通知でわかってしまうので、げんなりが増すだけだった。
一体誰なのか。
目的は何なのか。
それすらわからぬ状況は疑念と動揺を生み、悪戯にしてはやりすぎじゃないのかという憤りと恐怖感が日々広がっていく。

「今日も……授業中にあったんです。もうどうすればいいのか、わからなくて……」

千鶴に思い付く残された手段と言えば、相手に訴えて止めさせることしかなかった。
だけど千鶴の震えた涙声は通話相手の思考を擽るらしく、反応すればするほど、ますますエスカレートして手に負えなくなっていく。
そうこうしているうちに千鶴が行きついたのは、こんないたずら電話がかかってきてしまう自分が、上手く対応することのできない自分が、全て悪いのではないかという考えだった。

だから誰にも相談ができなかった。
相談したら怒られると思ってしまった。
責められると思ってしまった。
咎められると思ってしまった。
総司に話したのは、一人で抱えるのが辛かったから。
怒られても責められても咎められてもいいから、この苦痛を吐き出したかったから。

いや、違う。
総司なら、怒らないでいてくれる。
優しく慰めてくれると思った。
甘やかしてくれると思ったから、だからきっと打ち明けたのだろう。

千鶴は事のあらましを彼に説明し終わると同時に、打ち明けたことを後悔した。
だってこんなの、安心したいと言う自分本位な都合ばかりを優先して、総司の優しさに付け込んだだけだ。
そんな自分が汚い人間に思えて、俯く。
俯くと心はますます汚い色に染まる。
千鶴の頭の中に広がるのは、もしもこれが原因で総司との関係がおかしくなったら、幻滅されたら、という不安だった。
そんなことになったら、ずっと引き摺る。
悔み続ける。
迷惑電話のことを相談するつもりが、なぜか総司とのことばかりを考えてしまっている。
総司の反応ばかりが気になってしまう。

すると、黙って話を聞いていた総司が、無表情のまま手を伸ばしてきた。
千鶴はびくりと怯え、ぎゅっと目を閉じて身構える。
だけどその直後に訪れたのは、予想とは違う、だけど想像通りのものだった。

「一人で耐えて偉かったね。もう我慢しなくていいよ」

気遣いの言葉。
労わりの言葉。
それらと同時に、千鶴の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれる大きな手。
千鶴の中で張り詰めていたものが一気に解れていく。

「…………あ、っ…………っ」

目尻に溜まった涙に気付いて、慌てて目元を擦った。
こんな相談をした揚句、泣いて困らせる真似はしたくはなかった。
だけど千鶴の心情とは裏腹に、総司がくすくす笑って、撫で回してくる。

「そんな顔しないで。抱きしめたくなる」
「えっ……ええっ?」
「……抱き締めても、いい?」

突然そんなことを、言われても……。
千鶴の頭の中は一瞬で総司の言葉と笑顔に埋め尽くされて、抱き締められて幸せそうにしている自分の姿が脳裏に浮かんだ。
いま二人が立っている距離はとても近くて、総司が撫でてくれているその手を引けば、すぐにでも彼の腕の中に飛び込んでしまえる。

あっ、あの……で、でも……っ」

千鶴は言葉を詰まらせた。
そんなふうに総司に甘えられたら、心が安らいで、不安なんて吹っ飛んでしまうと思う。
現に今も、迷惑電話のことが脳内から消えてしまっていた。
でも総司はただの先輩で、千鶴はただの後輩で、異性であり、もう高校生でもある。
そんなことはできるはずがない。
第一総司は同情して慰めてくれているだけで、それを真に受けたら失礼――

「――ぷっ、あっはは!」

混乱する千鶴の耳に届いたのは、総司の笑い声。

「……へ?」

腹を抱えるようにして、心底おかしそうにふるふると肩を震わせている。
それを見た千鶴はようやく我に返り、からかわれていたことに気づいた。

「じょ、冗談はやめてください……っ!」

顔が真っ赤になるのがわかった。
平静でいたいのに、いられない。
単純で浅はかな自分がみっともなくて、恥ずかしくて堪らない。

千鶴は両手で自分の両頬を覆い、顔を隠した。
こんなときに、こんな状況で意地悪をしてくるなんて、酷い。
涙目を浮かべ、唇を噛んだ。
すると総司が慌てたように千鶴の頭をまた撫で、顔を覗き込んでくる。

「ごめんごめん。千鶴ちゃんは悩んでいるより、こういう顔してる方が可愛いくて好きだから、つい……」

可愛い……?
好き……?

「だっ、だから、冗談は……っ」

からかわれているとわかっているはずなのに、総司の言葉一つ一つに反応して、勝手に熱が上がっていく。
もうどこにも不安なんてなくなっていて、掻き消されてしまっていて、今だけは目の前の総司と過ごす時間で満たされていく。

その日は総司がわざわざ自宅まで送ってくれた。
道すがらずっと話を聞いてくれた。
それまでの心細さがうそみたいに、彼一人が傍にいるだけで世界は随分と変わっていく。
それに――

「これからは毎日僕が電話かけてあげる。履歴が僕の名前で埋まっていたら怖くないんじゃない?」

そんな提案をしてくれたのだ。

「……沖田先輩……っ!」

不在がちな父親と、別々に暮らしている兄。
そのせいで千鶴はほぼ一人暮らし状態だ。
だから家のことは殆ど千鶴一人でこなさなくてはならない。
なので、時間を取られてしまう部活には入れなかった。
だから学校が終わってから次の日が始まるまでの時間は、一人ぼっちで寂しいものだった。
変な電話のせいで最近はその寂しさに拍車がかかっていた。

総司の優しさが嬉しくて、申し訳ない。
二つの感情が入り混じる。
だけど、求めてしまう。
千鶴は彼の申し出を有り難く受けることにし、負担にならない範囲でお願いしますと頭を下げた。

その日の夜、眠る前。総司から本当に電話がかかってきた。
思えば彼と電話をするのは初めて。
携帯電話越しの声は少しくぐもって聞こえる。
でも優しい音色をしていることには変わりなく、千鶴は電話を耳に強く押し当てて、くだらない会話に癒された。

『おやすみ、千鶴ちゃん』
「沖田先輩……おやすみなさい」

数分間の会話はそこで終わる。
正直このときは、ただの一時的な気休めと慰めだと思っていた。
この日だけで終わるのだと思っていた。


だけどそれ以降、総司は本当に毎日電話をかけてくれるようになった。
就寝前の数分間、今日の様子を聞いてくれる。
ベッドに横になりながら、毎晩その声に耳を傾け、大丈夫です、と報告する日々が続いた。
雑談が長引いてしまったり、通話中に千鶴がそのまま寝てしまうこともあった。
寝ぼけているときの言動が面白いと笑われたり、寝言を言っていたよと翌日にからかわれたりして、総司との時間が以前よりもずっと増えたように感じた。
始めのうちはまだ迷惑電話は続いていたのだが、総司のアドバイスで一切の反応を止めたおかげか、徐々に減っていき、数日に一度あるかないか程度まで落ち着いていった。
非通知と公衆電話で埋まっていた着信履歴に、総司の名前が増えていく。
千鶴はそれが嬉しくて、ついポロリと口にしてしまったこともあった。

「沖田先輩の名前だけになったんですっ!」

梅雨明けが待ち遠しくなってきたある日、千鶴はそう言って総司に着信履歴を見せた。
ザーザーと降る雨は蒸し暑さを助長させる。
駅のホームにいると、風とともに雨が吹き込んできて、二人はそれを避けるように階段の裏手で電車を待っていた。
ただ単純に「迷惑電話が気にならなくなってきた」ことを報告したかっただけなのだが、なぜか総司に意地悪な笑みを浮かべられてしまう。
そして――

「そんなに嬉しそうにされると苛めたくなる。いい?」

画面に表示された自分の名前をなぞりながら、総司が顔を覗き込んできた。
彼からされる意地悪は、恥ずかしくてドキドキしてしまうから困る。
こうやってわざわざ言葉にして許可を求めてくるのだって、意地悪の一つだ。
もう既にからかわれていることを、千鶴は気付いている。

「……っ、だ、駄目です……」

照れて緩んでしまいそうになる表情を隠すため、必死になって総司から顔を背ける。
持っている傘をぐりぐりと地面に擦りながら、焦ってしまうのを誤魔化そうとした。
それを総司が楽しそうに追いかけてきて、腕を引かれ、肩を掴まれ、頬をふにふにされて、結局捕まえられて、総司と向かい合わせにされるのだ。

「顔、真っ赤だよ」
「おっ、沖田先輩のせいです……っ」

こんなやりとりが楽しくて、千鶴の中で少しずつ、でも確実に、大きな何かへと変貌を遂げていく。
電車到着のアナウンスが流れ、電光掲示板が点滅を始める。
千鶴は今日総司に言いたいことがあって、そのタイミングを計っていた。
駅へ向かって歩いている最中は、二人とも傘を差していたのでちょっと距離感があったし、雨音で声が掻き消されてしまうので却下。
このホームで電車を待っている間に本当は話そうとしたんだけど、話題を振る前にキャッキャとじゃれ合ってしまって、本題に入れなかった。
電車に乗り込んだらちゃんと言わなくちゃと決意した千鶴は、ザーザーと降る雨を眺め、集中力を高める。
そうして一分後に到着した電車に一緒に乗り込むと、空いていた席に二人並んで座った。

「沖田先輩、あの……お話があるんです」

電車が動き出した直後、千鶴は切り出した。

「……なに?」

総司が千鶴へと顔を向ける。
隣に座っているから距離が近くて、空いている電車だというのに、肩と腕とが触れてしまう。

(やっぱりホームで話せば良かったかも……!)

千鶴は早くも後悔した。
だってホームで向かい合って立っているときの方が、距離が遠くて緊張しない。
でも、今日言うと決めたからには逃げるわけにはいかない。

「電話のことなんですが今までありがとうございました、もう大丈夫です」

一息に言い切った。
本当はもっと早くに言うつもりだったのだが、甘えたがりのせいでズルズルと延びてしまっていたのだ。
総司が電話をかけてくれるようになって、どれくらい経つだろうか。
これ以上は彼の負担になってしまう気がして、迷惑になるのが嫌だった。

「…………もう電話しなくていいってこと?」

総司の問い掛けに、千鶴は大きく頷いて見せ、感謝を表すために満面の笑みを向けた。

「はいっ。沖田先輩のおかげですごく助かりました」

彼に相談しなかったら、今もずっと迷惑電話に怯えていたはずだ。
でも今はもう、忘れた頃に一回や二回掛かってくる程度。
これくらい少ない頻度なら、怯えずに済む。
その都度着信履歴を削除してしまって、気にしないようにしていれば、梅雨が明ける頃にはもう悪戯も来なくなって、スッキリした気持ちで夏を迎えられるに違いない。
総司はずっと気遣ってくれていたから、千鶴がこうやって一歩前に進めたことを喜んでくれると思った。
「やっと手がかからなくなってホッとしたよ」とか軽口を叩いて、くすくす笑ってくれると思っていた。
だけど千鶴の予想とは裏腹に、総司は無表情で何を言おうともしなかった。

「………………」
「あ、あの、それで私っ………………沖田先輩?」

千鶴にはまだ伝えたいことがある。
あるのだが、浮かない様子の総司を不思議に思い、名を呼び直す。すると総司は表情を変えないままにポツポツと口を開く。

「……うん。千鶴ちゃんが元気になって良かった。力になれて嬉しいよ。……それで、なに?」

心ここに在らず。
そんな言葉を連想してしまいそうな状態の総司に、千鶴はハッとしてかぶりを振った。
本当は、これからも電話をしたい、と言いたかった。
迷惑電話を理由にして続いている今の関係から卒業して、もっとちゃんとした形で総司と電話したいと考えていたのだ。
だから、「これからは私から電話を掛けてもいいですか?」と言いたかった。
訊きたかった。
ここ最近ずっと、それを言ったときに総司から「僕の着歴を埋めたいの?」ってからかわれることを想像していて、恥ずかしくなって、なかなか口に出せずにいたのだ。
今日こそ言おうと思っていたのに。
総司の今の様子を見て、そんなことは言えなくなってしまった。
言葉少なげな横顔からは、総司の考えていることの全てを悟るなんてできない。
でも何となくわかってしまった。
これ以上を求めたら、迷惑になってしまう。
煩わしく思われてしまう。
きっと今の総司は、千鶴からやっと解放されてホッとしすぎて脱力してしまっている状態なのだ。
そうとしか思えない。

「……な、なんでもないですっ」

千鶴は寸でのところで本音を飲み込んで、不自然にならないように誤魔化した。
いつもならこういう中途半端な態度を見せると、総司はしつこく追及してきて、千鶴の本心を明け透けにさせようとする。
だから少なからず身構えていたのだが、なぜかこの日は彼の追及がないままに下車駅へと到着してしまい、そのままそれぞれの帰路へとついた。

(沖田先輩、ちょっと変だった……?)

どうしたのかな? と心配しながら、千鶴は雨の中を歩く。
何か気に障るような失言をしてしまっただろうかと今日の自分たちの会話を思い返してみるが、心当たりなんて全くなかった。




こんな感じの話です(´∀`*)




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