ぶどう






正直、煮詰まって今にも爆発しそうだった。


今週末に予定されている試合。

相手方はそこそこ強いがそんなに弱くもない。
リコは1年だけを入れるつもりらしいがそれではあんまりだろう。
…反対ではないけど、1人くらい2年を入れてやっても…

でもそれじゃ1年のためになんねぇし…

でも…

そんな思考のどうどう巡り。


今日は午前中、
あまり授業に集中できなかった。
いつものことだが。


部室には、小金井と伊月と水戸部。
早々に昼飯を片づけてノートに向かう俺とは対照的に、
猫同士の戯れを水戸部が親のような顔で眺めながら昼飯をとっていた。

「なーひゅーがー」
「…」

空気を読まずに話しかけてくるのは例の如く小金井で、
正直、苛っと。


「なー」

「……」

「なーひゅーがってばー」

「………」

「ひゅー「うっせぇんだよちょっとは空気読みやがれ!」


立ち上がって消しゴムを投げつけるとそれは見事に小金井の額に激突した。

「日向が酷い…!」

小金井は心配しておろおろしている水戸部に抱きつきに行く。

つまりいちゃつく口実が欲しかったわけですか。

そんな小金井を後目に、もう一度ノートに向き合った。―と、「ねぇ、日向」

今度は伊月が俺に声をかけた。

再び苛っとしながら、ゆっくりと顔を上げる。

「ねぇ、伊月くん…?俺今………!?」

笑顔で不満を述べようと顔を上げた瞬間、口を塞がれた。
なんかやたらと甘い。

驚いて伊月をみるとぶどうの身を皮を剥いた状態で俺の唇に押しつける伊月がいた。

「………は?」

上目遣いでドヤ顔。

そそられないことはないが、状況が理解できない。

「日向、難しい顔しすぎ。眉間に皺よってるよ」

んなもん知るか、
と、怒鳴りたくなったが、続く伊月の言葉でその気持ちが霧散した。
思わず笑みがこぼれる。

「もうひとつぶどう?」




馬鹿だな、マジで。



あとがき



さて、意味はお分かりでしょうか+(・ω・´)
友人に教えて貰ったダジャレだったんですがw
これを伊月に言わせたくて仕方なかった!←

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