君に惹かれる






暖かい気持ちは暖かいまま。

いつまでも君に惹かれる。



瞼を赤く染める日の光を感じて目を覚ました。
昨日の余韻で少し身体が痛い。
けど、自業自得なのは否めないし。

キッチンから美味しそうな匂いが流れてきて、
火神くんがキッチンに立っているのがわかる。
うんと甘やかされてる妻みたいだ。
僕は女性じゃないけど、この感覚は嫌いじゃない。幸せだな、って思う。幸せなんだと思う。

時計を見上げれば、時間は7時。そろそろ起きないと部活が始まる前には着けない。

身体はまだ怠いけど、そんなの昨日のうちに覚悟していた。

身体を起こして見回すけど、僕の服は見当たらなかった。
面倒見のいい火神くんのこと。多分、昨日寝る前に洗濯してくれたんだろう。
今までにも何度かそういうことがあった。

まったく、あの人は。

せっかく今日は火神くんをめいっぱい甘やかそうと思ってたのに。

とりあえず、クローゼットから適当にTシャツを引っ張り出して、身に纏う。
太股の辺りまですっぽり隠してしまうそれに、毎回不条理を感じる。無駄にでかい。

無言のままリビングに向かうけど、朝食の準備をする火神くんが僕に気づく様子はない。

近づいて、火神くんがちょうど伸ばした手に、フライパンを握らせた。

「……うわっ!?」

一瞬思考が止まったように動きを止めた火神くんは、僕を確認して驚いた。
まったく。いつまでたっても慣れないみたいだ。面白い。この感覚はやめられない。

「おはようございます」
「…はよ。お前、気配消して近づくんじゃねぇよ…」

にっこり笑顔を返すと、呆れたように深い深いため息をつく火神くん。

無防備な胸倉を強引にひっぱって、僕より高い位置にある顔を引き寄せた。

「……ん」

合わせた唇はうんと甘い。

反射神経がいいくせにバスケ以外で不意を突かれると弱い火神くんは、抵抗も少なに僕に身を任せた。

「…お、前なぁ…っ」

唇を離すと、どこか不満げな表情の火神くん。
けど、赤く染めた頬はその表情と口調に説得力を持たせない。

「火神くん。誕生日おめでとうございます」

にっこり笑いかければ、やっぱり真っ赤な不満げな表情のまま、彼は僕の頭をくしゃくしゃにした。





あとがき




火神ん誕生日おめでとう\(^ー^)/
笠松先輩書いてないのに火神ん書いちゃいましたww
いや、笠松先輩も書こうと思ったのよ。うん。
兎に角、黒火も嫌いじゃないけど私は火黒派です。うんと甘やかされる黒子さまが大好きです。





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