熱中症







「し〜んちゃん♪」

朝っぱらから異常なテンションで高尾が絡んできた。
何かあったか、とも思ったけど
まぁべつに何でもいいかと放置していたら、
お昼時、早々に昼食をすませて俺が本を開いているその正面の席を陣取ってにやにやしにきた。

結局その笑顔の意味が分からないまま、放課後になって、
俺は高尾に手を引かれるようにして帰路に着いた。

…というか、こいつは何がしたいんだ。

「真ちゃん、暑いね」
「…夏だからな」

「体育館、地獄だよね」

「否定はしないが」

なんなんだ?
と首を捻る。
取り留めのない会話はいつものことだが何やら高尾がぎこちないというか会話を誘導してるような。

「熱中症に気をつけなきゃね」

「ああ…そうだな」

適当な相づちを打つと、目の端に高尾のにやにや顔が見えた。
「真ちゃん、熱中症って超ゆっくり言ってみて」

ああ、と思った。
この会話をしたくて仕方なかったのだろうな。
その嬉々とした表情はまるで子供だ。

「嫌なのだよ。どうせまたいやらしいことでも考えているんだろう」

貴様はそういう奴だ。
と。

「えーっ!言おうよ真ちゃん!いいことあるんだからさ!」

意味が分からない。

「嫌と言ったら嫌なのだよ。だいたいなんだ、その」

文句を言おうとした口を高尾の唇が塞いだ。
触れてから、少しだけ離し、次に俺が少し屈むようにしてもう一度触れる。

何度も啄むようなキスをされて、息もつけない位。

「…たか、ぉ…」

離した唇で高尾に声をかけると、高尾は上目で不適に笑った。

「いいこと、なかった?」



あとがき


同Twitter診断。
答えが「やだ。どうせまた、いやらしいこと考えてるんでしょう?」
ってでた兄さん(笑






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