samurai7 | ナノ
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「おはようございます」


ユメカの背後から穏やかな声がかかった。
振り向けば、先程までキクチヨの隣に居たヘイハチ。
にっこりとした表情ににつられ、おはようとユメカも笑顔で挨拶を返す。
するとヘイハチは、チョイと頭を指差した。


「髪、結ったんですね」
「うん。……もしかして変!?」


指摘されたため、変な髪型に見えるのかと思い
ユメカは慌てて両手で髪型を隠すようにする。
しかしその行動は逆に、ヘイハチを慌てさせることになった。


「いえいえ!変だなんてとんでもない!
私はその髪型のユメカ好きですよ」
「……!す…」
「……おっと!わ!そうではなく!」


ヘイハチの余りの慌てように、ユメカは自分が慌てていたのも忘れ、思わずふき出した。
するとヘイハチはへなりと気が抜け、頬のあたりを人差し指で掻いた。


「ああ……、似合っています、と言いたかったもので」
「うん!ありがとうっ…あはは」


――ああ、この人はすんなり好きという言葉が出てくるんだ。


初めて知ったヘイハチのストレートさが可愛くて
ユメカはどきどきと心が躍った。
お陰で笑い声が止まらない。
一方自分の極端な発言が原因だったとはいえ
そこまで笑う程ではないだろうと思ったヘイハチは、徐々に羞恥が襲ってくる。
困った表情を浮かべ少し頬が染まるが、
暫くするとつられて可笑しくなり一緒に笑い出した。


この場には穏やかな空気が流れていて、
これから起こる乱闘のことを、ユメカはすっかり忘れていたのだった。

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