samurai7 | ナノ
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「な!なんで笑うの……」


小指を絡める自分の行動が可笑しかったかと思い、ユメカは慌てる。
するとカツシロウは目を細め、穏やかに微笑んだ。


「いや。……ユメカ殿は温かいと思ってな」
「へ?」


余りに予想外のことを言われ、ユメカは思わず素っ頓狂な声をあげてしまい、わっと口を閉じた。
その様子に、カツシロウの口元が弧を描く。


「気にするな。
……少し風が強くなってきたな、中に戻ろう」
「あ……うん」


前を行くカツシロウの姿。


――大きくは無い、青年の背中。


その背中に、仲間を殺めるという重しは乗せたくなかった。


カツシロウは、敵兵が迫ったカンベエを守ろうとして、鉄砲を手に取った。
結果守ることは出来たが、カンベエを援護しようと、
同じく敵兵の背後にいたキュウゾウまでも弾丸によって殺めてしまう。


その事実はカツシロウにとって、
これからの人生を、サムライとして生きることを余儀なくされる疵(きず)となる。


しかし人を、それも仲間を殺めることがきっかけで、
真のサムライになるなんて違うのではないだろうか。
カツシロウは、カツシロウらしいサムライになってほしいとユメカは願った。


たとえいつか来るであろう未来でカツシロウが鉄砲を使わなくても、
きっとキュウゾウが、カンベエを狙う敵を倒してくれるだろう。


――運命が変わっても大丈夫。だから、約束を守ってね……。


→第八話へ
08.04.23 tokika/加筆修正:09.02.09

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