06
44 / 177
コマチは白い紙とにらめっこし、
今日あったことを思い出しながら一生懸命文字にしていく。
--------------------
オカラちゃん
これで四ど目のおたよりです。
オラ、もう毎日びっくりのれんぞくです。
姉さまが、りょうしゅのどら息子におかぼれされちゃったおかげで、
毎日どきどきなのです。
こわい人がおそってきちゃってさあ大変です。
でも姉さまがやとってくれたおさむらいさまたちは、すっごい強いのです。
きってきってきりまくりなのです。
これなら、のぶせりをやっつけられるかもしれないです。
それから、カンベエさまは今日、
ものすごいおさむらいさまとちゃんばらしました。
なにがどうすごいって、色がすごいです。
ふくはまっかっかだし、あたまきんきらきんだし、
ぴょんぴょんうごくんで、オラ目がちかちかです。
オラ分かったです。
つよいおさむらいは変。ぜったい変です。
オカラちゃんも見れば分かるですよ。
でもびっくりなことにユメカ姉さまが、
その、まっかっかできんきらきんでぴょんぴょんなおさむらいさまを好いてるんです。
なにがいいのかオラにはよくわかんないけど、
おうえんしようと思うです。
じゃあまたおたよりかくです。
おさらばーい。
--------------------
「まぁ、コマチったらまた書きながら寝て……」
キララが机に伏して寝ているコマチに気付き、
抱きかかえ布団へ運ぶ。
手紙を綺麗にたたみ、封筒の中に入れた。
「カンナ村の皆のために、明日も頑張らなくては……」
決意を口にし、キララも寝床に入る。
明日会えるサムライは、
きっと笑顔のサムライ。
→第七話へ
08.03.11 tokika/加筆修正:09.02.06