samurai7 | ナノ
06
37 / 177

慌ただしかった一日。
気付けばもうすっかり夜が更けていた。


「キララちゃん、コマチちゃん、そろそろ銭湯行こー」


SAMURAI7の世界でお風呂はどうするのだろう、
と疑問に思っていたユメカだったが、
マサムネの家にはちゃんとお風呂はあった。
しかし近くにお金はかかるが、
湯に入っている間に洗濯もしてくれる銭湯があるらしいため、行ってみようと決めたのだ。


今まで毎日お風呂に入る週間をつけていたため、
ユメカは服を続けて着ることや、お風呂にあまり入らないのにも抵抗があった。


贅沢を言ってはいけないと思うが、
今は装飾屋で働いて稼いだ、自分のお金がある。
キララとコマチを引き連れ、ユメカは「いってきます!」と元気よくマサムネの家を出た。


「ユメカ姉さまありがとです!
おら今日いっぱい汗かいたから、おっきい銭湯楽しみだったですよ!」


コマチが笑顔でユメカと手を繋ぐ。


「うん、今日は砂もいっぱい被っちゃったしね。
早く汚れ落としたいー」
「私達まで一緒に……すみません、ユメカさん」


コマチの隣を歩くキララは、申し訳なさそうに肩をすくめる。


「そんな、気にしないで!
私が一緒に行きたいだけなんだから」


キララはユメカの優しさに、嬉しそうに微笑んだ。


「……ありがとうございます」
「えへへ〜」


(キララちゃん本当にかわいいなぁ)


キララの笑顔を見ると、そう思わずにはいられない。


「あれ?ユメカ姉さま、今まで指輪してたですか?」


コマチは繋いだユメカの左手を、まじまじと見つめていた。
左の薬指には、装飾店で貰った指輪がひとつ……。

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -