samurai7 | ナノ
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暫く歩いた所に、ヤカンと雷電の野伏せりが見えた。
地下と地上を結ぶ洞窟から、死角になるように身を潜めている。


来る。ユメカがそう思った矢先、カツシロウとキクチヨ以外のサムライの姿と
農民であるリキチ、初めて見るホノカの姿が現れた。
サムライ達は即座に敵に囲まれていることに気付き臨戦態勢になる。


同時に、待ち構えていた野伏せりが姿を現した。
何故待ち伏せされていたのかと疑問に思うサムライ。
すると雷電は、その方等は自分達を討つために農民が買ったサムライであろう、と告げた。
確信を持った言葉。どこかで情報が漏れていることをサムライは理解した。
反逆行為を捨て置くわけにはいかない野伏せりは刀を振るい、此処で戦が始まった。


離れた位置からでも、凄まじい迫力が伝わるサムライ達の戦いにユメカは息を呑んだ。
機械を相手にしてもなお、サムライ達は渡り合い敵を斬って行く。
そしてユメカは、隣にいたはずのヒョーゴの姿が無くなっていることに気付いた。


バシュン、という無機質な音。
カンベエの刀は弾かれ、腕に血が滲んだ。


「成る程、便利なものだな」


ヒョーゴの声。雷電が助っ人の登場とばかりに嬉々として反応する。
これまで好転している戦いと思えたサムライ側は、飛び道具の乱入に身動きが取れなくなった。
卑怯なことに、チャンスだとばかりに雷電が斬艦刀をカンベエの上に振りかざした――その時。


ユメカの隣で殺気を放ったキュウゾウ。
振り向いた瞬間にはもう姿は無く、
カンベエに振り下ろそうとしていた雷電の斬艦刀が弾かれた。
砂塵を巻き上げ、雷電の大きな身体を一筋の線が駆け上がる。
天高く飛び上がった者が太陽を背に二刀を抜き放った。


「貴様は…っ!」


雷電は声を上げるが、有無を言わさず頭、四肢、胴体と斬り刻まれる。
敵ではないはずの男が何故、そう思う頃には雷電は形を無くしていた。


崩れる爆音と、巻き上がる砂塵。
そこからキュウゾウは飛び上がり、カンベエの後方へと降り立った。
すっと姿勢を正す。


「おぬしを斬るのはこの俺だ」


仲間の裏切り。
ヒョーゴが苦虫を噛み潰したように表情を歪め、キュウゾウの背に銃を放った。
だがその弾丸は前方にいたカンベエによって切り落とされる。
銃を向けられたキュウゾウは、肩越しにかつての盟友を見た。

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