グリフィン(ジャンパー)
珍しく2人で休日を過ごした。
狭いソファーに2人で寝転んでテレビを見る。
いつもの慌ただしい毎日とは違い、ゆったりとした時間が流れていた。
俺はこの時間が好きだ。けど、密着した体からじんわり伝わる温もりに柄にもなく緊張していた。
彼女は俺の腕の中でテレビに夢中。
さして気にもならないテレビを見やれば最近人気だと噂の若い男優の姿。
爽やかなスマイルをこちらにまでふりまいている。
ばかやろ、こいつを見てんじゃねえよ。
今こいつに心も体も近いのはこの俺だ。なんて考えると余計に腹立たしくなって、思わず口を開いた。
“こんな奴がお前好きなのか?”
「あたしが好きなの、あなただけよ」
先を読んだ返事・・・と言うよりも俺が喋る前に言われてしまった。
なんでこいつは俺が求めていることが分かってしまうんだ。
「(・・・くそ)」
顔が赤くなっていくのをどうにも止められない。
ありがとうございました。
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