あの時「ばいばい」じゃなくて、
「またな」って言えばもう一度お前に会えたんかな?

そう言うのは過去の自分を責めることで自分のせいだと思いたかったから。




「みょうじが交通事故でっ…」







嘘だと思いたかった。
いや、何度となく思った。
次の日になればまたみょうじが笑顔で俺の名前を呼ぶ。
そしてそれに答えてまたみょうじが笑う。



でも、違う。
それは俺の想像。
次の日は葬式だった。



頼むから、
誰か嘘やと言って。


もう一度みょうじと会わせて。
―――もう二度と会えへん。


もう一度みょうじの声を聞かせて。
―――もう二度と聞けん。


もう一度俺の前で笑って。
―――もう二度と見れん。





「ばいばい」





違う!!
俺が…
俺が…っ!!


なんでこんな時に涙しか流れないんだろう。
その場に崩れ落ちる。

頬をつたう涙。





「また…な……って……」





もう一度だけ……
………もう一度…だけ…



*END*
 

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