「好きなんだ!付き合って下さい!」
「あ、…いや……、その……、」



私のいけないところは曖昧なところだと思う。
こう流されて付き合ったことが過去に何回あったか。
けれど、今はちゃんと言わなければいけないんだ。



「……あのですね、私には彼氏が……、」
「知ってるよ!それでも好きなんだっ!」



こう言われたら終わりだ。
なんて返したらいいのか本当にわからない。
フらなければいけないことはわかっているのだけれど。

でも相手も一生懸命告白してきてくれて。
そう考えるとその気持ちを踏みにじるようなことはしたくない、なんて考えてしまって。
どうやったら気持ちを踏みにじることなく相手をフることができるのだろうか?




「この子、俺の彼女なんやけど」

「うっ、白石君っ」

「ひっ、ごめんなさいっ!!」



さっき私に告白してくれた男の子は急いで去っていく。





「俺、ちゃんとフれって言わへんかったっけ?」



白石君は一つため息をつく。



「ご……ごめん…、」

「彼氏として、彼女が告白されてんの見んのは辛いねんで?」

「ご…ごめん……、」

「何で謝るん?」


「えっ…だって、彼女が告白されてるのを見るのは辛いって………」

「悪いと思っとるん?」

「うん…」




白石君はニヤリと笑う。




「ごめんね、今日は帰ります」

「こんな時だけ、はっきりしんといてや!!」


*END*
 

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