短編 | ナノ
幼なじみから恋人になる方法
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私と竜太朗の関係を簡潔に言い表すなら幼なじみという言葉が最適だろう。喧嘩友達、でも良い。そんなロマンチックの欠片もない私たちの関係だというのに、何故私は竜太朗に学校で一番の告り場に呼び出されているのだろうか。そして何故竜太朗の顔が既に真っ赤なのだろうか。





「名前っ……す、すっ……きとか言ってみたりして……えへっ」



「………きんもっ!!」



「いたぁーい!!暴力反対!!」



その単語の間には結構な間があったが、好きと聞こえたような気がしたのはやはり気のせいであろう。えへっなんて気持ちの悪い事を言った竜太朗の白いほっぺに平手打ちをかましてやった。勿論軽くだけど。(なのに竜太朗はオーバーリアクション)




「どうしてぶつのバカっ」



「バカはあんただ!っつーかキモい!!」



「はぁ……どうしてこんな奴の事好きなんだろ俺」



ビッタリと私の手形がついた頬に手をあてて俯く竜太朗は流石美形男子、儚い姿が様になっている。
てゆーか今何て言った?こんな奴のこと好き…?




「誰がこんな奴だコラ」



「えぇ!?着目すべき所違くない!?俺告白したんだよ!愛のこくはくっ」



「むーりー!!無理無理!!」



「そんなムリ連発しなくっても……」




本気で落ち込む竜太朗を見て言い過ぎたかなと少し後悔。本気で私のこと好きなのかコイツは。だって私たちって幼なじみじゃん。幼なじみに恋愛感情なんて普通抱かないと思うんだけど。




「確かに竜太朗は良いヤツだけどね。幼なじみとしか見れないよ」



「俺、名前のこと幼なじみなんて思ったことないよ?昔っから、名前は俺にとって一番大切な女の子だもん」



「ぬぁっ、ぬぁっ、ぬぁに言ってんのぶぁかじゃない!?」



「………(照れてる)好き、名前」



「はぁ!?」



「大好き。俺の恋人になって?」



「う、うるせーバカ!!」



「ぐえっ!!」




真面目な顔して聞き慣れない愛の言葉を零す竜太朗に今度は蹴りを入れてやった。またもやオーバーリアクションで吹っ飛ぶ竜太朗を見て、今はまだこの関係の方が居心地が良いんだと思った。今はまだ、ね。











(幼なじみに飽きたら恋人にしてやるよバーカ)
(はい!!はいはいーっ、僕はもう幼なじみに飽き飽きです!!!)




(だから恋人になりましょう!!)
(まだ幼なじみで良くない?)











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