糖布錠はもういらない様に提出させて頂きました。素敵な企画ありがとうございましたー。
地球儀には、世界中の国が書かれていて、自分が行こうと思えば、簡単にこんな沢山の所に行けるのかと、小さい頃に感心した事があるけれど、高校生になって二年が過ぎる今、地球儀を見ても、世界の広さを感じる事はなくなった。けれど、私がその話をしたら、私の旅行好きな最愛の人が、地球儀を見るのを好きになってしまって、今でも地球儀は毎日のように見ていた。
「ねぇ、三郎。次の長期休暇には此処の国とか行ってみたくない?何だか楽しそう」
「それなら、そうしようか。私は雷蔵が行くと決めた所に一緒に行くよ」
「うーん…待って。此処も不思議な名前してるから、とっても気になる…あー、こっちも良さそう…」
しかも、最愛の人である雷蔵は、大の優柔不断。次の長期休暇までは約四ヶ月。さて、一体いつになったら決まるのか。飛行機も、早めに取っておいた方がいいんだけどな。この間の長期休暇は、それらの理由で結局ダメになって、国内観光をする事になったし。なんて私の心配を余所に、雷蔵は楽しそう。まぁ、基本私は雷蔵が楽しそうならそれでいいから、別にいいんだけど。
「三郎ー、たまには三郎だって決めてよ。いつも僕ばっかり…。僕だって三郎が行きたい所には、快く一緒に行くのにさぁ。いつも決めるの僕なんて…なんか悲しい」
「別に、私…特に行きたい所ないし、雷蔵が居ればそれでいいんだよ。それに、主要な所は行けたし、雷蔵の思うように決めておくれ」
そう言いながら、地球儀ごしに雷蔵を見ると、あれでもないこれでもないと言いながら、額に眉を寄せていて、そんな雷蔵も、なんて可愛らしいんだ思う自分に、普通として不可欠なはずの何かが私は終わったな。と…思いながら、ふいに手を伸ばして雷蔵の髪にキスをした。
「なっ…急に何するんだよっ」
「いやー…なんか可愛いなぁーと思って。好きだよ、雷蔵」
「…何だよそれ、意味わかんない。それより、今は何処に行くのかを考えてよー」
グダグダグダグダ。声だけで怒りつつ、真っ赤になる雷蔵はやっぱり可愛いくて、私は、心の底から笑った。
「さて、次は何処に行こうか?」
地球儀を見ていると、小さな頃は、世界の広さに感心して、行ってみたい場所が溢れて仕方なかったけれど、今では、地球儀を見た所で何も思わなくなった。だって、私の行きたい所は雷蔵の居る場所になって、居たい場所は雷蔵の隣だし。私は、雷蔵さえ隣に居たら、世界を広く感じれるんだから。
あなたは私の地球儀ですあなたの行く所が、私のあるべき場所です戻る