「いただきます。」
「・・・いただきます。」
目の前の二人が手を合わせてそういうのを聞いて、・・・あれこれ昼夜どっちの食事だろう、とどうでもいいことを考えた。

「あれ?食べないんですか?」
「鯖、・・・嫌いなのか?」
「・・・そうじゃなくて。」
知らない人間を家につれてくるだけでなく、ご飯までご馳走してしまうのは如何なものか。
その知らない人間側が思うのもどうかと思うが、何の疑いもなく私を見る垂れ目と、感情の読めない青い目にじっと見つめられると何も言えなくなってしまう。

「あ、遠慮してるならそんなの気にしないで下さいね。お母さんが多目に作っちゃったって持たせてくれたおかずですから。」
「・・・じゃあ、いただきます。」
「はい。」
嬉しそうに言われて、なんだか落ち着かなくなって箸を進める。
あ、

「・・・おいしい。」
ぽろっとこぼれでた言葉に、驚いた。
ぱっと顔をあげると、一人は笑顔で、一人は変わらない表情で、こちらを見ていた。

「たくさん食べてくださいね。」
「・・・。」
正反対の二人なのだと理解した。

















「あの、名前を聞いてもいいですか?」
食後、茶髪の彼がそう言ったことで、名前も知らないような関係の私達がなぜこんなことになっているのだろう、という疑問が浮かんだ。
だけど、それを考え始めるとまず目が覚めたら海にいたことから始めなければならない。

「あ、あの?」
「あ、ああ、すみません。・・・みょうじなまえといいます。」
「みょうじさんですね。俺は、橘真琴です。それで、こっちが・・・。」
「・・・。」
「ほら、ハル!」
「・・・・・・・・七瀬遥。」
茶髪の・・・いや、橘君に比べて、七瀬君は警戒心が強いらしい。
・・・どちらかというとこの状況では七瀬君の方が普通の反応なのだろうけれど。

「それで、みょうじさんは、」
視線をもとに戻すと、橘君のキラキラとした目が私の目を捉えた。
ああ、やっぱりどうしてここにいるのか気になるよね、私もそうだよだから聞かれても何とも言えないのだけれど、どうし「人魚姫なんですかっ!?」



・・・・・・・・・。


「・・・。」
「え?」
「・・・真琴。」
「な、なに?ハル。」
「お前、熱でもあるのか?」
「・・・へ?」
・・・どうしてそうなった。














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