見つかった。
扉が開く音と足音が聞こえて、誰か来ることはわかったけれど。
・・・まさか、ここまで来るだなんて。
「な、・・・。」
「君は・・・。」
向かい合う彼らは、目を見開いて私を見ている。
それが、怖くて怖くて怖くて。
「・・・っ。」
彼らとは反対のベットの端へ逃げるようにして隠れる。
ぶるぶると震え出す自分に、情けなくて、泣きそうで、周りの全てを遮断するように体を丸めた。
「オイ・・・オメー!!待てよ!」
「荒北!!怒鳴ってはまた怯えさせるだけだ!!」
声がする。
近づいてくる。
凄く、大きな声。
気を付けてね。
今朝、お母さんが私に再びそう言った。
皆と同じ時間に登校するのは嫌だから早く学校へ向かうと伝えると、そう、となんでもないように言ったのに、玄関を出るときには酷く心配そうな顔をしていた。
ねえ、お母さん。
あの気を付けてという言葉は、こうなることがわかっていたから言ったの?
心配そうな顔は、怖いことが起きるって知っていたから?
・・・そう頭の片隅で考えるのも、今起こっていることから現実逃避したいからかもしれない。
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