七、頭痛の原因

気になってしょうがねェ。
・・・誰なんだ、あいつは。
登校しながら、ぐるぐると頭で考える。
昨日の部活後、東堂もアイツに会ったと聞いた。
そして、東堂に会ったときもひどく怯えていたらしい。
・・・顔も見たことねェし、学年が違うのか?

「あーっ!もう意味わかんねェ!!」
昨日から考え続けて頭おかしくなりそうだ。
突然叫んだ俺に、周りの奴等はびくっとした。
そういや、三年になっても一年の時みたいに俺にビビっている奴等もいるな。
まあ、それがなんだって話だけどヨ。

「荒北ではないかっ!」
「げ・・・。」
「何だ?寝不足なのか?隈がすごいぞ!」
・・・朝からうるさいのに会ってしまった。
背後から聞こえてきた奴の声に、顔を歪める。

「るせーな、オメーは朝からベラベラしゃべってんじゃねェ!」
「む?朝から俺の素晴らしい話術を見られて光栄だろう?」
「黙っとけ!!」
ああ早く離れたい。
なんでこんな奴にファンクラブなんて物ができたのか、本当に分からない。
とにかく早く歩いて部活へ向かおうと速度を速めた時、

「・・・寝不足の原因は、例の女子か?」
「・・・。」
東堂が言った。

「図星なのだな?」
「オメーもそうだろ。」
「うむ。どうにもあの女子のことが頭からはなれなくてな。」
「・・・のわりには通常運転だな。」
「当然だ!隈なんて作ったら俺のファンが心配してしまうからな!」
「言わなきゃ良かった。」
「にしても、女子に怯えられたのは初めてだ。・・・荒北ならわかるのだが。」
「殴られてェのか?」
こいつといると疲れるとげんなりしていると、頭痛がしてきた。

「寝不足から来るやつか・・・。」
眉間にシワが寄る。
と、東堂が除き込んできた。

「む?頭痛か?」
「・・・違う。」
「違わんだろう!荒北、今自分が頭を押さえているのを忘れたか?」
「うぜェ。・・・先に行け。」
「いや、無理をして倒れられたらこっちが困る!保健室へ行くぞ!」
「は?」
東堂はそう言った直後、俺の腕を掴んで走り出した。

「俺頭痛ェんだけど!?」
「ならば早くいかねばならんだろう!」
「ちょ、ばかかオメー!速いんだヨ!」













ぜえぜえと息を上げながら保健室の前に立っている俺は、東堂の失礼します、と言う声に開いてんのかヨ、と朝早くから保健室を開けた保健医を恨む。

「先生、・・・おらんな。」
「ったりめェだろ。まだ朝練前なんだからヨ。」
「では、荒北!このベットを使うといい!」
「お前人の話聞け。・・・つーか、俺は、部活に出るんだヨ!」
「いいから横になれ!」
「ふざけんな!」
もし寝るとしても俺はこっちのベットを使う、と隣のベットを囲うカーテンを開けた。

「何だと!?こっちでいいではないか!」
「うっせ、俺はこっちがいいん・・・なっ!?」
カーテンを開けきった瞬間、俺の目に飛び込んできたのは。

「む?どうした荒北。何かあった・・・っ!?」

アイツだった。


[prev] [next]

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -