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 ペルソナ4で『いのちのこたえ』探し

一言でまとめるなら有里君を追いかける話。
鍵の掛かった扉を通過できるのかは正直わかりませんが、いのちのこたえに辿り着く可能性は皆等しく与えられているはずなので多分……はい。

夢主も亡くなった有里君の辿り着いた答えを探して元々は奔走していたのですが、どうしても分からなくて壁に突き当たってしまう。有里君が亡くなった今、大好きな仲間たちを見ることも辛くて一人八十稲羽に移り住み、マヨナカテレビの事件に巻き込まれる……的な。その中で鳴上君に会ってワイルドの能力者である事に驚き、彼を有里君のように死なせてはいけない!と使命感に燃える夢主。そしてその反面、有里君と同じワイルドの能力者のそばにいれば何か分かるのでは……と思っている打算的な面もあり。鳴上君と歪な絆を築きつつ、最後は有里君の腕の中に飛び込む話。つまり夢主も過労死するということですね。

夢主は凄く真面目でシリアスなんだけど、周りの反応が一部ギャグになるかもしれない。






今日の夜も雨である。しとしとと断続的に続く雨音を聴きながらも花村の視線は目の前のテレビに向けられていた。

零時一分前。花村の前に鎮座するテレビの画面では砂嵐が吹き続けるだけの時間。そのノイズの掛かったようなテレビ画面を見つめることに本来ならば意味はない。しかし花村達にとっては違い、この街で起きている誘拐事件の次の被害者を特定する手掛かりに成り得るのであった。

もう二度と小西先輩のような犠牲者を出したりしない…!

花村は決心を再び固め、それを表すかのように拳をきつく握ってみせる。先日天城を救ったように、次の被害者も自分たちが必ず助け出すのだ。彼の決意は固かった。

花村がそうしている間にも時間は過ぎていき、カチリ、と時計の針が十二時を指し示す。そしてそれに呼応するかのように砂嵐が吹き荒れるだけだったテレビ画面にゆっくりと人のシルエットが映る。来た、と画面を食い入るように見つめる花村。

《い、た……い》

か細い声だ。そして震えているその声を聞いて、泣いているのだと花村は推測。そして徐々にはっきり移りだしたそこには、八十稲羽高校のものではない制服を来た少女の背中が映る。

《…いたい、よ……》

背中を丸めて啜り泣く少女がいるのは無人の遊園地のようだ。錆び付いて落ちかけている看板が風に揺られてキィキィ鳴き声を上げる。

《……くんっ…》

ブツリ。そこで場面は途切れ、元の砂嵐へと戻った。花村は至極冷静に、自らの相棒である鳴上悠へ電話を掛ける。数コール後、繋がった電話のスピーカーに花村は震える声で告げた。

「……怖い」

固い決意は砕かれつつあった。


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2013/12/19 21:51
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