色気も糞もへったくれも無い話


 


みなは胸がデカくて何気プロポーション抜群。
紫音はポニテ且つ地味に美腕美脚。
ひよりんはミニスカ清純派乙女。

…じゃあ、うちは?

考えて恋人は二次元だと現実逃避。



「ねェ斗月」
「何だァ?」
「萌えキャラになるにはどうすれば良い?」
「は?」

雨降りの火曜日。
唐突に切り出したうちの言葉に斗月はポカーンとした顔。

「萌えキャラって…何、お前が?」
「そう! 世間ではひんぬー寸胴萌えも居ると思いきや何だこの現状!
 どーせうちはひんぬーだ腐女子だショタコンだあぁあああ!!!!!!」
「何があったか知らんがモチツケ」

くうぅ!
何なんだこの格差社会は!

前記にも述べた様に、あの女子3人には悉く萌えポイントがあるんだ!

でも何だ!
うちはひんぬー寸胴腐女子ショタコン色気も糞もへったくれも無いただの生き物!

幸いにも顔だけは人並みだと(勝手に)思っているが!

…こうも差を見せ付けられるとね、
三次元に興味ないヲタクでもヘコんじゃったりするのよー
ハハーハハハー

「…うーん、萌え、ねェ…」

だから取り敢えず萌えに精通してる斗月に聞いてみた訳だが…

「…メイド、はお前のキャラじゃないし…
 猫耳…もお前じゃキモイし…
 巫女…だとお前は腐ってるから却下だし…
 裸エプロン…は駄目だ、見たら吐くわ」
「幼馴染みとはいえ清々しいくらいに遠慮無いなアンタ」

…えぇ、解ってます、解ってますとも。

どーせうちに萌えなんて一欠片も無い事くらい…ヘッ

「てゆーかお前スカート穿かねーじゃん。
 まずその時点で大抵の服装が無謀ってもんだゼ」
「ゃー、まァそーなんだけど」
「やっぱりなァ…ホラ、メイド服なんかはミニスカで絶対領域が決め手な訳だしな…ハァハァ」
「はいはいワロスワロス」

…あー、もう良いや。気力抜けた。

まァ良く考えたら別に萌えキャラになってモテたいって訳でも無いしね。
ただ単に妬みと僻みと嫉みだ。

だって、コレでも女の子だもん★

…ゃ、女捨ててるけど。

「まァ、別に俺は今のままのお前でも良いと思うけどな」
「やっぱりそうかなー
 うちはうちでショタコン腐女子人生送るべき?」
「………まァ、そう公言してる限りそうで良いんじゃね?」

…うーん、まァいっか。

やっぱりうちの恋人は二次元だ。
ショタを愛でつつテラウフフな妄想してれば幸せだもん★

「うん、分かった。有難う斗月。
 これからもアンタと一緒にヲタク道まっしぐらだ!」
「…お前そーゆー事言うか?」
「は? 何が?」


どーせ妬み僻み嫉みは抜けるこっちゃ無いんだろうけど、
うちはうちなりに。
腐女子人生楽しまなきゃね!


「つか“幼馴染み”“生足”“元気爆走娘”“鈍感”の4つのスキルを持ってるお前が何を言うか」
「何の事?」



終われ。



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