短編 | ナノ




今年も変わらず君の横で


あけましておめでとうございます。

そんな堅苦しい言葉なんて、この従兄弟に言う必要があるのか。


「あけおめ〜ことよろ〜なのだ!!ぬははっ」


いつでもこの従兄弟は僕の背中を見つけるたび背中に飛びついてくる。僕が(認めたくないけど)小さい所為か翼が大きい所為か、翼の抱きつきは抱きつきと呼ばない。どちらかと言えばタックルの方が近い気もする。


「重たいよ翼。あけましておめでとう。ことしもよろしく」
「ぬははっ!!勿論なのだっ」

幼い笑顔でさっきより抱きつく力を強めた翼に呆れたようにため息を吐いた。


「ぬ?新年早々ため息か?ため息吐くと幸せ逃げるのだ!!そんな梓には幸せくん逃がさないないロボ…」

変わらず翼はよく分からない発明をどっからか出して僕に差し出した。要らないよまた爆発するでしょ翼のことだから。そう言い終わる前に翼の手に持った危険物は煙を吹き出し逃げるまもなく爆発してしまった。
ぬ〜また失敗なのだ、残念そうに呟く声。またため息を一つ。






今年も変わらず君の横で




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