短編 | ナノ
欲張りおうじさま
その目に映る全てのモノを壊したい衝動にかられる。
その声もその視線も全部僕に頂戴?
僕だけの君で居てよ。
「羊…。」
大丈夫、僕は錫也の元から離れないよ、ずっと傍に居る。
だからそんな悲しそうな顔しないでよ。
「なあに?錫也。」
君は全部欲しいと言った、僕の全部を欲しいと。
「それは無理だよ」
首を横に振ってその願いを拒否すればまた錫也は悲しそうに顔を歪めた。
そんな表情さえ愛おしい。
僕を全部あげれないけど錫也の全ては僕が貰ってあげる。
その声もその視線も君の体温も。
全部愛してあげる。
だから
「 」