短編 | ナノ
年老いても共に
「哉太、誕生日おめでとう。」
はい、プレゼント!嬉しそうに彼女が渡してきたのはバラの花束。
何で、バラの花束だ?俺が女だったら喜んでるだろうけど、生憎俺は男なわけで、それなのに何故俺に花束を渡してきたのか疑問になる。
「なんで、花束?って顔してる」
ふふ、嬉しそうに笑うこいつに首をかしげる事しかできない。
「そのバラ何本だと思う?」
ずっと笑顔を絶やさない月子に適当に100本か?て聞けばさっきよりも嬉しそうに笑う。
「正解だよ!」
花束だろうが、俺の為にくれたプレゼントだ、受け取らないわけない、大好きな奴にもらったものは何だろうが嬉しい。
「さんきゅ。」
赤いバラを受け取れば、バラの花の本数で意味があるんだってと月子が語り出す。
「1本はね、一目ぼれ。3本は告白。11本は最愛、50本が恒久。」
「じゃぁ、100本にも意味があるのか?」
「そうなの!100本はなんだと思う?」
「なんだよ。」
「100本はね、年老いても共にだよ!」
だからこれからもよろしくね哉太。
彼女の笑顔につられて俺も笑う
年老いても共に
居てください。