※夢見の幼女inアビスなif物語





何ら変わらない、ある日のことだった。任務もなく、書類も片付け終わって、一息ついて食堂にでも行こうかと思い、廊下を歩いていただけだ。


「ヒロトぉ!ヒ・・・っロト・・・」


ボールを抱えて泣いている子供を見つけた。
なぜ教団内にこんな子供がいるんだ。もしかしてヴァンが誘拐して来たとか?あの髭の事だ、有りうる。まぁ、ボクには関係のない事なので、無視させてもらおう。何かあるならそこら辺にいる一般兵に頼る事だ。


「おめんのおにーさん」
「・・・・・・・・・・」


今日は厄日に違いない。涙を拭いながら上着の裾を握って、離さないこの子供に少しばかりの殺意が生まれた。


「何?これお面じゃなくて仮面だし」
「ヒロトはどこにいるの?」
「は?そんなのボクは知らないよ」


何、誰かの妹?それとも娘?てかヒロトって名前初めて聞いたけど、ホントに教団にいるの。こんな事に巻き込まれるなら、自分の部屋から出なければ良かった。


「ヒロトもふーすけもはるやもれーなもいないの」
「だから、そんなの知らないって」
「リン、わるい子だからまたすてられたの?」


止まりかけていた涙が、再び溢れんばかり溜まり始めた。ああ、誰だよホント、こんな面倒事を連れて来て放置してる奴は。てかヒロトって奴は何処にいるの。妹が泣いてるんだけど、どうにかしてくれ。


「うぅ・・・・ヒロトぉ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・ヒック・・・・・ヒロトぉ」
「ああ、もう!そのヒロトってどんな奴だよ!」


大声を出したせいか、子供は俯き気味だった顔を上げ涙を溜めた目を見開きパチパチとまばたきをした。そのせいで涙が重力に従い頬を伝った。


「ヒロト、さがしてくれるの?」
「ああ、アンタが手を離さないし煩いから」
「あのね!ヒロト、サッカーすきだよ!」
「好きとかじゃなく顔とか教えてよ」
「かお・・・カッコいいよ?」
「聞いてないよそんな事。じゃあ髪の色とか目の色とかは?」
「かみのけは赤色でめはみどり色!」


赤毛で緑の目。
何、アイツ妹なんていたの?てかアイツの事兄って分かってここ来たの?レプリカがダアトに来てるとか?あー、なんか頭使うのめんどくさくなったから適当に連れて行って部屋に戻ろう。


「はぐれないでよね」
「ヒロトみつかった!?」
「ああ、(赤毛で緑目の奴は)見つかった」


ヒロトって変なあだ名付けられてやんの。


「ほら、コイツだろ?」
「何勝手に入って来てんだテメェ」
「・・・ちがいますー。ヒロトこんなにふけてませんー!」
「老けっ!?なんだこの失礼な餓鬼は!」
「知らない。迷子じゃないの」


だけどコイツ、中々いい度胸じゃないか。こんな強面の奴に老けてるとか言えるなんて、ただの子供じゃないね。


「ヒロト、しんぱいしてるかな・・・」
「さぁね。してんじゃない?アンタのおにーさんなんでしょ」
「リンのおにーさんじゃないよ。ヒロトはヒロトだもん」


何コイツやっぱめんどくさい。
仕方ないから後はヴァンに押し付ける事にしよう。アイツ、ロリコンだから丁度いいでしょ。










2013.02.10

アッシュの件をやりたくて。

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