※マルタ成り代わり主
※最後のロイド・マルタ戦かな







彼が言ってる事が、間違ってるとは思わない。でも、正しいとも思えないんだ。確かに人間は世界にとって、害虫のような存在かもしれない。でも、それでも、私達は必死に今を生きている。精霊やセンチュリオンからしてみれば、たった一瞬のような一生を生きている。


「みんな、生きてるのに・・・」


なのにどうして私達は戦っているのかな。
どうして戦わなくちゃいけないのかな。
あの時、私が『助けて』なんて言わなければ、今こうやって君が苦しむ姿を見ないで済んだのかな。君も皆も辛い思いをしないで済んだのかな。ああ、だとしたら全て私の所為だね。


「下を向くな。顔を上げろ」
「っ!・・・・・・・ラ、タトスク・・・」


いつの間にか目の前にいる彼の瞳は、紅蓮に燃える炎のような赤色だ。エミルが封じたんじゃないのとか、なんでロイドや皆はただ見てるのとか、言いたい事はあったけど、もやもやして何が何だか分からなくなった。


「リン・・・」
「分からないよ、わかんないよ!」


何処で間違ったんだろう。私がここにいる事事態間違ってる。そもそも私がマルタ・ルアルディの代わりに生まれてしまった事が間違いだったんだ。


「もう、何もわかんないよ・・・」
「・・・・・・・・・・」


マーテル様、私は何でこの世界に生まれてしまったんですか?私は貴女の望むような働きをしましたか?もう私は必要ないでしょ。


「苦しい、辛いよ・・・」
「・・・なら、求めればいい。あの時のように」
「あの時、って・・・」
「俺は、本当のお前を知り理解しているんだ。俺以外で誰がお前を信じてやれる」


赤いその瞳は、私の姿を捕らえて放さない。


「だから、ほら言えよ」
「・・・助けてっ、・・・・・助けて、ラタトスク!」
「あぁ、任せろよ」


もう涙を止める方法なんて分からない。拭っても拭っても止めどなく溢れて来るこの涙は、きっとずっと我慢していた分もあるだろう。泣きたくても、泣けなかった事実や現実からやっと開放された。


「安心して待ってろよ」


うん。もう大丈夫、平気だよ。
ありがとう、ラタトスク。








2013.01.27

男前なラタ様を書きたくて。
パーティー、センチュリオン、リヒター空気ww

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