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敵いっこない事くらい、分かっていたつもりだったけど、やっぱり目の前にすると胸が苦しいね。楽しそうに話しをする二人は、私から見てもお似合いで、私の入る隙間なんて無かった。でも、それでも、私は彼の事を嫌いになれなかった。私にとって初めての恋だからだ。


「あーぁ、空っぽだなぁ」


空は私の心と反比例していて綺麗な青空だった。飛行機が雲を作って何処かに飛んで行くのが見えた。その飛行機に乗って、何処か遠くに行けたなら私は楽になれたのだろうか。

いや、きっと楽ににはならなかっただろう。何故なら、人間は欲張りな生き物だからだ。彼が振り向いてくれない限り、楽になる事はないのかもしれない。それか新しい恋を見つけるか。我ながらねちっこい女である。

それでも、こんないい女を放っておくなんて、彼もなかなか見る目がないな。彼女なんかより気の利くいい女よ、私は。なんて声に出来ないのに、バカみたい。

もう諦めよう。
この言葉が届かなかったら、諦めよう。


ねぇ、エミル。あいたいよ。



「良かった、まだ居た。ねぇ、一緒に帰ろう?」






君は私を楽にさせてはくれないのだ。










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