07:音に溺れたお姫様 2 / 11


客も所々見たことある人々がいる。



「はいこんばんはー、フェアリーテイルでーす」


赤羽先輩の気の抜けた挨拶。



「えー、1曲は他のバンド同様コピーですけど、1曲はオリジナルなので是非聞いていただけると嬉しいでーす」


聞いてもらう気があるのだろうか。
やる気のなさげな赤羽先輩の挨拶に、前のバンドを見に来たであろう人たちが出口へと向かっていく。


刹那。



雷のように、大きな音が響いた。

香月くんのドラムの音だ。
激しく、それでも綺麗な音がライブハウスに響く。


出ようとしていた人たちも足を止めてステージの方を見る。



普段おっとりしている登くんからは想像できないような早い手さばきで鋭い音が奏でられる。





≪≪prev




しおりを挟む
back




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -