04:狼さんは赤ずきん 1 / 11


ふぁ、とあくびを漏らしながら電車が来るのをホームで待つ。

朝早い高校生の朝は辛い。とても辛い。


授業中寝てしまうのも仕方がないではないか。


がたたん、と音を立てて電車はやってくる。

お寿司のようにぎゅむっと詰め込まれた電車に朝っぱらからテンションを落とす。
朝からこんな押し寿司状態にならねばならないのか。
今日は雨が降ってるからか、一段と人が多い。



うぐ、と潰れそうな声がかすかに漏れる。

ひぃ、これは辛い本当に。


雨なのに人が多くてじめじめが予想以上にうっとおしい。



駅に停車するたびに人が増えて圧力がかかるからさらに苦しくなっていく。



不意に後ろからどぉんと大きな叩きつける音が鳴って周りの人の意識がそちらに向いた気がした。



≪≪prev




しおりを挟む
back




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -