02:御伽噺とお弁当 2 / 8 体格が、負を呼んだのか。 ぽいっと人ごみからはじき出される。 何度も何度も、入れない。 買えないわ。 「……あああ」 お腹をぐーと鳴らしながら購買をほんの少し離れたところから眺める。 入ろうとしても、やはり勝てない。 人が減った頃には、もうほとんどなくて。 こうなったらバランス栄養食しか……ないのか…… 美味しいけど食べた気にならないんだよなぁ。 「ふふっ」 笑い声が後ろから聞こえてきて、ゆっくりと後ろを向いた。 気分が顔に出てたのか、笑った人は苦い笑い顔をして私に近付いてきた。 「ごめん、なんか可愛くて」 群れから弾かれる小動物みたいで。 そういって昨日の……ボーカルの先輩は優しく笑う。 群れから弾かれる小動物……? ≪≪prev しおりを挟む back |