02:御伽噺とお弁当 1 / 8 「お弁当忘れたぁ!」 私のその言葉に、真麻が馬鹿にしたように笑った。 「購買で買ってきたらぁ?」 「うぇー」 購買、購買かぁ。 我が逢坂高校の購買は小さい。 そのくせみんな買いにくるから、昼休み開始には戦争のような場所になるのだ。 遅く行けば何もなくなってる危険性もあるし。 学食行くのはお金がもったいないし。 外に出れないからコンビニには行けないし。 かといってお昼抜きは到底不可能に近い、私は食い意地は酷い張っているのだ。 「……いってきます!」 財布を取って教室を出た。 真麻の「生きて帰れよ!」って1言で私に死亡フラグが立ったんですけどどうしてくれるんですかね。 購買へ向けて走る。 1階に降りたところでやっぱり購買は 混んでいた。 あー、やばい。 人ごみに潜り込んで手を伸ばす。 この際どのパンでもいい。どのおにぎりでもいい。 ≪≪prev しおりを挟む back |