13:天然紳士はバイト中 3 / 9 「3人な」 「はいはい、星尾ちゃんもいらっしゃい。お好きな席にどうぞ」 広いとは言えない喫茶店はちらほらと座っている人がいる。 適当に空いていたボックス席に弥生先輩が座り、それに合わせて私と登くんも座り込んで。メニューにゆっくりと目を向けた。 「ご注文が決まったらお呼びください」 魚住先輩がマニュアル通りらしい言葉を告げて、背中を向けて歩いていった。 「弥生、これ頼んで」 「自分で頼め」 「俺、1人でこんなに食べらんないもん。分けて」 「ふざけんな」 2人がメニューに目を向けながら話を続ける。登くんが1人で食べられないと言ったそれは海鮮ドリアで、弥生先輩はそれを食べたい気分じゃないらしく一蹴した。 「俺は肉が食いてぇんだ」 「おしゃれなカフェで肉って」 ≪≪prev しおりを挟む back |