11:手を繋いで 4 / 8 何か寸劇始まった。 この2人仲良いな。 何で昼ドラ調なのか。 「新曲作っててギターの音欲しいんだってさ」 「こーめーちゃんはバイトだしぃ、はにわちゃんは好み偏りーだしぃ」 ぶすったれた表情を香月くんは浮かべる。 ふっと、私の方に視線が向いた。にんまり香月くんは笑って、私に近付いてくる。 私をまるで逃がさないように、手を広げてじりじり近付いてくる。 カバディとか言ってる。何この人怖い、ホラーよりも怖い。 「美幸ちゃぁぁんマネージャーなら楽譜選びに行こぉぉ」 「行くのでその動きやめてください」 思わず敬語になる。香月くんは笑顔でガッツポーズを取った。 「じゃあ星尾さんお願いね。香月、星尾さんに迷惑かけるんじゃないよ」 「はいはーい!」 登くんが慌てたように保健室から出て行った。赤羽先輩を待たせているからだろうか。怒らせると厄介だろうしね。 「美幸ちゃん、荷物は? 早く行こう!」 「あ、教室……」 「ふふ、荷物ならここにありますよ……お友達が持ってきてくれました」 ≪≪prev しおりを挟む back |