そうか。
 今までは1位が五十嵐だったから……豊平は五十嵐が気に食わないらしかったけれど何も出来なかったのか。

 今はもう、下だから。



「もう授業が始まるよ、最前列に戻ったらどーお? 優等生くん」



 それはきっと揶揄だったのだろう。
 金髪に悪い目つきの豊平には似つかわしくない褒め言葉を吐き出した五十嵐は目を細める。
 豊平は舌打ちをして席へと戻ってきた。

 また睨んでくる。睨まれても困ります。


 田中が出て行って、入れ替わるように1時間目の授業の担当教師が現れる。
 
 
 ちらりと窓に目を向けると、ぽたりぽたりと雨粒が窓を濡らしていた。


 


――




 授業は毎日同様に単調に終わって、地獄のような昼休みになって。私はいつものように3人の元へと歩いていく。


「何やってんの? 五十嵐と楽しそうなことやってんジャン」

 私に陽那がそう投げかけた。
 皮肉めいたその言葉に苦笑いを向けて見せる。

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