謀略

 夏休みももうすぐ終わる。そんな日まで差し掛かっていた。
 思えばどうだっただろうか。青春らしい青春なんぞ送れなかったようにも思える。


 いちるや陽那、ヒロと遊ぶことはあったけれど、そのくらいだろうか。
 あと1年の時に同じクラスの子と遊ぶこともあった。2年4組のことはどうやら他のクラスにも禁忌なようで、学校の話は全然しなかったけれど。
 大丈夫か? とだけ問われたが何か答えることで変化しうることではないと悟った私は「大丈夫」とだけ返答した。

 田中はどこまで手をまわしているのだろうか。
 もしかしたら私たちの親のことも上手く丸め込んでいるのかもしれない。どこまで考えて、どこまで信用していいのかも分からずに私は考えることを放棄した。


 夏休み最終日を無駄に過ごし、ベッドに横になっているときに、ラインの使用ばかりであまり聞きなれなくなったメールの通知音が聞こえてきた。
 何かと思って見てみれば知らないアドレスからのメールだった。



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