さぁさ、笑って。
精一杯笑ってみせて。
じゃないと「彼女」は
来てくれないよ?
─ゲーム/再会─
〜Re:start〜
「キング」
少女は目の前に座った青年に向けて言葉を紡いだ。
「君は」
──何か欲しいものはある?
世界は組立った。
あとは世界を色づけるだけ。
今度は、そう、大丈夫。
ちゃあんと人を、選ぶから。
クイーンの居場所も、空けておいたから。
クイーンが喜ぶ世界に、してみせるから。
今回「彼女」は、世界を壊すことができないから。
絶対に、できない。
それも、自ら。
自ら壊さないことを選ぶよ。
白ウサギの思惑も露知らず。
青年は口を開いた。
「──アリス」
白ウサギは青年の答えを最初から知っていたかのように、口で弧を描いた。
──彼女を呼ぶことを、後悔することになる。
誰かさんが、赤い髪をした女性が言ったその言葉を、忘れたように。
青年は
「彼女」を求めた。
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