ふたりのはなし。 | ナノ




帰宅後、えーちゃんの買ったドーナツ片手にツイッターでありがとうございましたと呟くと色んな反応が返ってくる。


ほんの一部、ツバサさんの過激なファンらしき人たちから「仲良くすんな」的な発言をいただきましたが私は元気です。




〈ツバサ:そういえば、まーちゃむちゃんの旦那様まで見れたよ、お迎えに来てたから〉

〈a@ツバサ:どんな人でしたか?〉



フォロワーさんは私の旦那様が気になるらしい。


いつも言ってるじゃないか。


イケメンで、時々天然で。
優しくて、可愛くて。
エリートな。
神様の成功作!だと。



晃くんにも言ったことあるけど何かこれ鼻で笑われました。




〈ツバサ:まーちゃむちゃんの旦那様はおっさんだったよ、おっさん RT a@ツバサ:どんな人でしたか?〉

共通のフォロワーさんからおっさん!?と驚いたような反応が返ってきているのがわかる。




おいそれは聞き捨てならない。


〈まーちゃむ@ツバサ:旦那様はおっさんじゃないですから!!〉

〈ツバサ@まーちゃむ:周りから見た感想だもーんね。俺のがカッコいいよね〉




えーちゃん、歳よりはいつも若く見られるんだよ!


えーちゃんの手を写メってツイッターにアップする。




何撮ってんのって言われたけど、うん、気にしないでえーちゃん!

顔を晒すのはさすがにまずいからしないけど!




〈まーちゃむ:ほら、手からわかる若いイケメン!〉

〈まっきー@まーちゃむ:カッコいいねー〉

〈ツバサ@まーちゃむ:ただの血管じゃーん〉



まっきーありがとう。



ツバサさん……なんだこいつ!なんだこいつ!





「ツバサさん腹立つ!」


思わず声に出すとえーちゃんが首を傾ける。



「ツバサさん?」

「今日の金髪!」

「あー……」



ケータイを意味もなく振り回す。



「えーちゃんがおっさんだって!自分の方がカッコいいって!」


「まぁ、金髪くんもまだ学生でしょ?あっちから見たら俺もおっさんだべ。あぁ、カッコよかったねぇ彼」



おっとりと返さないでよ!



「えーちゃんの方がイケメンだもん!!」

「っふふ、はいはい、ありがと」



「くっそー、負けない……」


「何、金髪くんと連絡取ってるの?」


「うん、ツイッター」



連絡取ってるというか絡んでるというか。



私の言葉でえーちゃんは私からケータイを奪い取った。


えー、何するの。



上の方に手を挙げられて、届かない。

卑怯だ!



「何すんのえーちゃん」

「別に」


嫉妬だろこれ否定するだろうけど嫉妬だよ。


ツバサさんに、嫉妬!




「俺も構え」






─かまってください─
(返されたケータイは電源を切られてました)





「駄々っ子甘えん坊ぐずりえーちゃんキタコレ」
「……うん!?なんて!?」





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