side:エリカ
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軽やかな音楽と揚げ物のぱちぱちという音がいい具合に混ざり合って家の中に響く。


もう随分と昔に感じる地獄のような日々とはまた打って変わって穏やかな時間が流れていく。




私は地獄のような日々での出来事を忘れることはないだろう。

きっともう、許せない。
私は、刹那さんが両親を殺したことを許そうとは思えないかもしれない。

でも、それ以上に。
私の命の恩人で。
恵二さんの命の恩人で。


比べてはいけないことかもしれないけれど、そんなこと。




何かしてほしいわけじゃないけれど、もし何か償ってくれるというのならば。
彼が、刹那さんが幸せに生きてくれること、それが償いになるんじゃないかな、なんて。


1回目の唐揚げが良い色になってきたその時に家のドアが勢い良く開く。



「やっべぇ丁度良いタイミング!?ただいまー!」
「春樹近くで叫ぶなうるさい。ただいま」

「おかえりなさい!ご飯にしましょうか!」




私たちはきっとこれからも、幸せに時を歩んでいく。




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