忘れようだなんて。

人間じゃなく道具でありたかった、だなんて。



人殺しの罪悪感から逃げたかっただけだ。


俺は墓石をなぞって殉職した人間の名前を辿る。



この人達は、ちゃんと、殺した人間への罪悪感を背負って戦い続けていたのだろうか。

殉職した人間が英雄であると、そう言われるのもあながち間違ってないかもしれないな。


そこにすら刻まれていない少女の名前を、思い浮かべる。


夢に出てこないのは、ちゃんと受け止めたからだろうか。




誰も君のことなんか覚えてないかもしれない。
俺以外は。



だから、俺は。


絶対に君を忘れはしないよ。






橙色ナイトメア


オレンジ色の悪夢を何度でも。


前へ***次へ
[しおりを挟む]



- ナノ -