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お礼文は現パロ留伊(伊作♀)『君に、恋をした01』です。







盆も過ぎて所謂残暑と言われる時期の筈なのに。

「あっちぃ〜!何だこの汗…」

「留三郎!サボっちゃ駄目だぞ!お、見ろ。凄い可愛い二人組が居る」

指差された方を見ると派手な茶髪に、目の遣り場に困る程小さなビキニを付けた二人組が居る。

「小平太、お前は相変わらずだな…」

「目の保養だよ。その為に毎年ライフセーバーのバイトしてるようなもんだし♪」

いいバイトが有ると同じ大学に通う七松小平太に誘われて、焼け付くような日差しの元で特に何もせず突っ立って早二時間。

相棒はあれが可愛い、これが好みだと楽しんで居るようだが自分は全く興味が無い。

いや、女に興味が無い訳では無い。
今まで何人かと付き合って、それなりに楽しかった。
しかし実際の所、自分自身を出せずに相手に合わせる事で結果相手から別れを切り出されるのが常であった。

自分はどこかおかしいのかとも思ったが、何故だか確信があったのだ。
ーいつか一生モノの出逢いがあるんじゃ
無いか、と。

「ちょい休憩!水入ってくるわ」

「おう、すぐ戻って来いよ〜」

少し体を冷やそうと人混みを避けて賑わいから離れた海に入る。
ラッシュガードから徐々に伝わる水温が肌に心地良い。

沖に向かって泳ぎながら楽しそうに声を上げる人混みを見やる。
またこの夏も淡々と過ぎて行くのだろうかとぼんやり眺めていると、背後から水音が聞こえて振り向いた。

10メートル程先で誰かがもがいているのが目に入り一気に血の気が引いて行く。

「嘘だろ…っ!」

選りに選ってこの仕事に慣れない自分一人の時に発見するだなんて!
しかしすぐに思考を現実に戻す。
長い髪が見えてどうやら女の子らしいと分かった。
全速力で泳いでその人物へ向かい、後ろから体に腕を回して引き上げる。

「ごほっ…はぁ、はぁ」

「大丈夫ですか!?」

溺れている者はむやみに前から手を差し出すとしがみつかれて危険だ、後ろから救助すると事前の講習で学んでいて本当に良かった。

取り敢えず意識がはっきりしているか確認しようと顔を覗き込んだ。
その瞬間ー。
体に電流が走ったかのような衝撃を受けた。
何だ、これ…

苦しそうに乱れた呼吸をするその子は自分と変わらない程の年齢だろうか。
意外にも意識ははっきりとしていて、助けた自分を見上げるその目は大きく澄んでいた。

「す、すみません…足が釣ってしまって…本当に溺れるかと…」

「…あ、いや、怪我とか無い?」

「多分…毎年こんな風に溺れかけるんです。いつもは…友達が側に居てくれるんですけど」

話の内容は殆ど頭に入っていない。
苦笑いをしながら話す彼女から目が離せず、未だに彼女の体に回したままの腕の力加減に戸惑っていた。

“見つけたー”

頭の中で言葉が響く。
そうだ、待っていたのは彼女なのだ。
しかし口には到底出す事は出来ずに二人で暫く海に浮かんでいた。

(続く)




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mokuji


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