やさしい記憶





まだ、美しく魅惑的な過去と残酷な今をさまよっていた僕は、ふと壁に掛けられた時計に目をやった。



時計の針は日付をまたごうとしていた。






優葉からの連絡はない。





僕は空いたグラスをテーブルの隅に置き、新しいドリンクをオーダーした後に、また少しだけ君を惜しみながら瞳を閉じた。












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