Bitter





優葉と出会う前の僕は、毎日孤独から逃れることばかり考えていた。

希望を持って、進んできたはずなのに、少しの躓きと孤独にすぐ心が折れそうにゆらゆらゆれていた。

でも、孤独と思っていた自分が孤独じゃないこと、希望は消えていなかったこと。

優葉が僕を変えたんだ。

僕の心に深い跡が残ってるんだ。

君という甘くて苦い、深い深い跡が。




あなたと出会う前。

私はひどく枯れていた。

もう、誰も水を与えてくれなくなって、見向きもされなくなって、からからに乾いて、頭をたれて、もう少しでちぎれて落ちてしまいそうだった。

毎日という牢獄の中で緩やかに残酷に年老いていくのだと思っていた。

そんな粗末な花に君が水を巻いてくれた。

キラキラと光に反射して、その水は虹を作った。

虹はどこまでもずっと彩り続けてくれると思っていた。


でも、虹は近づけは遠のいていく、つかもうと手を伸ばしても手に残ることは無い。


そして、いつかは消えていく・・・


でも、今でも美しいその虹は、キラキラ輝く光のしずくは私の記憶に焼きついているよ。







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