Novel
2 必然の目覚め
【2 NOTE 】
不定期連載【モノクローム アクト】
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何も怖くない。
それは彼がいたから。
今の私には、誰もいない。
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『ん……』
目が覚めると、灰色の空間に居た。
だが、そこには本来居るはずの姿が見えない。
(ナイトメア?)
(居るんだろう。)
わずかに心をひらき、思考だけを読み取れるようにする。
そうすれば彼は姿を現した。
「相変わらず器用だな……」
『そういうなら相変わらず、顔色が優れないね』
嫌味をこめて言ったつもりが、彼は苦笑した。
「お互い様さ。君だって持病があるだろう?」
(揚げ足ばっかり・・・)
だが、僕もつい、彼に心を許してしまう。
彼のやさしさを感じるからこそ成しえる感情なのだ。
夢魔という役は心優しい人間が担える役ではないからだ。
夢魔としての役割を果たすときの彼は、僕の知る彼ではない。
彼ほど恐ろしい人間は他にいまい。
「君はもっと怒るかと思っていたのに・・・少々以外だ」
『驚いてはいるけど、約束だからね。』
__6月12日。 ー必ず迎えに行く__
『ちゃんと覚えていたんだ。時間軸のずれで忘れているかと思ってたのに』
「厳しいお言葉だな」
互いに顔を見合っては苦笑する。
終わりが見えているから、名残惜しい。
この時間にも、そろそろ目覚めがやってくる。
「今回のスタート地点はここだ」
_パチン
ナイトメアの指の合図で、とある景色が映し出された。
『ハートの国・・・』
もっとも目に優しくない国。
愛しい感情と、悲しみにあふれた哀れみの目。
彼は今も、僕の存在をおぼえているだろうか。
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〜あとがき〜
今回は出会いの話。
なので短く切らせてもらいました^^
はてさて今後、どうなりますか・・・
まだまだ話脈が掴めていませんが次回もどうぞ!
よろしく観覧してやってください☆
〜siki〜