7 スキップ
【7 NOTE 】
不定期連載【クロワール ラヴィット】
紅茶のほうも更新しましたよー!
アリスたちのイラストもあります!
トップ画もお持ち帰りいただけます。
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温かい風を感じる。
ふっと目を開けると、私はいつもの空間に居た。
「凪」
名前を呼ばれて、ばっと振り返る。
そこには・・・・・・『ナイトメア』
「どうした?落ち込んでいるように心が曇っている」
そのとおりだ。
私は、ビバルディのことが大好きだ。
しかし、このままあと28時間帯ハートの城で暮らすには、エースに耐えなければならない。
いつもなら迷子に行っているらしいのだが、なぜか凪の仮滞在がおわるまで城からでないらしい。
そう使用人がいっていた。
『私・・・・・・もたないとおもうよ』
掠った声で心底暗い。
「気のもちようか・・・私の決めたゲームだし、どうするかだね」
そんなこといわれたって私には独身術は兼ね備えていない。
わかっていて濁すナイトメアをキッと睨んだ。
「…滞在をスキップしますか?」
『……え?』
スキップ。
どうしてそんなことをいうのか。
いや、ナイトメアは正しい。
いやと言い出したのは私だ。
それに答えてくれただけのこと。
それなのに・・・≪スキップ≫
嫌な言葉。
記憶が脳裏に焼きついている。
なんでもかんでも嫌々嫌。
何にも何処にも進めない。
もう動かなくなってしまった身体。
『どうして動いているの』
白昼夢をみているような状態になった私に、ナイトメアはそっと瞼に手をかざす。
「目覚めのじかんだ・・・」
視界がグニャリと歪んでいく。
「方法は、領主にキーワードを伝えればいい」
方法・・・
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目覚めたのは夜の時間帯だった。
この世界では何の予知もできずに、役持ちたちが国をまわす。
余所者ならよそ者らしく振舞えば良い。
きっと私は正しい。
正しいのだ。
回答用紙に赤丸がつく。
『ビバルディにいいに行かなきゃ』
簡単に身支度をすませ、ビバルディのいる部屋へと走り出した。
急ぐ必要はなく、時間も有り余っているのに走ってしまう。
どうしてだろうと、次の角をまがった瞬間。
『ビバルディ!!』
そういいながら私はビバルディに抱きついた。
するとビバルディは目をまるくさせて、頬を赤らめていた。
「おお凪。ちょうど会いたかったのだ。こんなに急いで何事じゃ」
私に会いたかったなどといってくれる・・・・・・
でも・・・
『ビバルディ。私、スキップする』
失礼なことだとおもう。
けれど、ビバルディはわかっていたように優しく微笑んだ。
「ああ。すきな所へお行き。そなたは縛られぬ存在じゃ」
『え、ええ。ありがとう!!』
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〜あとがき〜
新しい能力?の登場です。
次回は、滞在地の移動になります。
おたのしみに!
〜siki〜