8 トカゲとイモムシ
【8 NOTE 】
不定期連載【クロワール ラヴィット】
外に出たくっない♪
あーつーい♪
ひっきこもりん♪
あ、皆さんはちゃんと運動しなきゃですよ!!
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心地よい風に吹かれて、私はクローバーの塔に向かっていた。
先刻、ビバルディにスキップをした。
お城の人たちも悪い人ではないけど・・・
(なんか悪い気がしてきたなぁ・・)
『で、なんであなたがついてくるの!!』
城から外出するなり、後ろからエースがついてくる。
「え〜ひどいなぁ。まるで嫌みたいだ」
『みたいだ。じゃなくてそうなの!!』
誰が好き好んで、変質者の尾行をよろこぶものか。
そんな人がいたら、ぜひともお会いしたい。
そのひとを崇めるかもしれない。
なんどか巻こうと試し見るが、どれも意味無くおわった。
結局、エースを連れたまま塔についてしまう。
「ユリウス〜ただいま!!」
階段の途中で私を追い越し、ドアをぶち破る勢いで扉をあけた。
「はぁ・・もう少し静かに登場できないのかおまえは!!」
ユリウスが講義の声を上げると、苦笑いしながら扉の隙間から顔を覗かせた。
「・・なんだ。おまえか」
『こんにちは。ユリウス。エースって余所者の尾行癖があるの?』
嫌味をこめてエースをにらむ。
「めずらしい組み合わせだとおもったら・・・・・・そういうことか」
なるほど、とユリウスは理解してくれた。
『なんか気に入られた?みたいで』
私としては、内心(もう、どっかいけよ)ってかんじなんだけど。
『でね、私、スキップしたの。だからここに滞在させて^^』
ルールとはいえ、許可は取らないといけない。
無断に入り込んで住み着いてしまうなど、どこぞの騎士と重なるのだ。
絶対にそれだけは避けたかった。
「はぁ・・・好きにしろ。」
突き放すようにそういってくる。
でも、ユリウスの言動にはハラがたたない。
棘のある言葉の中にも、優しさがあるのだ。
『ところでユリウス。夕飯はたべた?』
この階には驚くほどひとがいない。
なぜか、とナイトメアに聞きはしたものの最後は言葉を濁された。
「?ああ。まだだったな。私は当分手が開かない。塔の食堂へ行け」
(ユリウスは?)
そう聞こうとしたが、おおきな音が言葉をさえぎった。
__バン!!
「時計屋!かくまってくれ!」
何事かとおもいきや。
『ナイトメア……どうしたの?』
なぜこんなにも死相が出ているのだろう。
「ほっておけ。いつものことだ」
『いつも死相がでてるの!?』
「なっ失礼だな!!私は偉いんだぞ!もっと敬え!!」
「はいはい。良い子ですから病院いきましょうね」
その瞬間ナイトメアの背筋が凍る。
『グ…グレイどうしたの?』
「凪か。それがだな・・・ナイトメア様が病院へいかないとダダをこねるんだ。だから体にいいものを、とおかゆを作ったんだが・・・」
グレイはちらっとナイトメアに視線を移す。
(おかゆ?)
ふ、とグレイの手にする物体に目をやる。
『これ・・・何?』
「何っておかゆだ」
???という顔をするグレイ。
しかしグレイの手にするモノは・・・
(なんか紫でぐつぐつ煮えてる・・・)
『そそそっか。じゃ、じゃあ私はこれで!!』
勢いよく部屋をでていく。
後ろで悲鳴が聞こえるが気にしない。
何気にひどい凪だった。
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〜あとがき〜
さてさて、やっとユリウスルートに入りました!!
塔で、しばらくお話を進めていきます。
ちかじか、期待の新連載を開始します。
前代未聞の新キャラとストーリー。
たのしみにしていてくださいね!
〜siki〜