【帽子と夢】
「げほぉっ」
『うわぁっ 夢の中でも吐血しないでよ !!』
ただでさえ日常的に吐血しているのだから、夢の中でくらい体調管理に勤しんで欲しい。
「それより……さっきの夢はなんだったんだ?」
それは…過去の夢。
僕が犯してしまった罪。
あの男の子はしんでしまった。
守りたいものも、血でふやけてしまう。
「リナリー?」
『とても怖い夢。僕にとっては大切で、けれど悪夢で』
「……そうか」
ナイトメアは聞いてこない。
僕にとって辛いことだと知っているから。
「なら……幸せな夢をみせてやろう。ほら、目をとじて」
ナイトメアの言う幸せな夢に疑いを感じたが、僕はめをとじた。
視界が歪む。
『ん…』
(昼だ…)
どうやら幸せな夢とは、夢を見ないことらしい。
でも悪夢を見るならこのほうが良い。
今度、ナイトメアとお出かけしようかな。
今の僕は、そんな浮かれたことを考える余裕があった。
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仕事が終わり、お風呂に入り、ようやく眠りに着こうとする。
(眠れない)
まだ夢を怖がっている自分が居る。
__添い寝……なんてのはどうだ?
『っ!ナイトメア……』
またサボってるんじゃないのか。
「しっ失礼な!」
(サボってたんだ……)
「そんなことより!!帽子屋に添い寝をしてもらったらどうだ?」
・・・・・・
『は?お前なにいってんの?添い寝なんてお願いできるわけないでしょうが』
だが、ブラッドはしてくれる
(確信があるから言えないなんて、重症だな……)
「まぁまぁもうすぐグレイが来てしまう。そうなれば仕事の山だ・・・。
君の悪夢を止められるかわからんしな」
(嘘。絶対止めてくれるくせに)
でも、うーん。毎回気を使ってもらうのも悪いし。
でもこのままじゃ眠れない。
……。
『……しょうがない』
「がんばれよーっ ごふっ・・・」
(何をがんばるんだよっ!!苛)
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そんなこんなでただいま、ブラッドの部屋の前。
ノックしようかどうか迷っています。
けれど、ブラッドは既に気配できずいているはず。
「入ったらどうだ?」
(っ やっぱりきずいてた)
__ガチャ。
「どうしたんだ?いつもなら寝ている時間だろう」
そういうブラッドは、いつもと違うラフな格好だ。
僕がむずむずして何もいえないでいると・・・
「とりあえず座りなさい」
『うん……』
ソファーに腰をおろし、ブラッドと向かい合う。
「で?そんなに言いにくいことなのか?」
それはそうだろ。あんなことっ・・・
『えーと。その……お願いがありまして……』
ぎこちない口調で、なんとか話そうとする。
「めずらしいな。だが……君に頼られるのも悪くない」
さらっと嬉しい台詞をはくブラッドにたいして、今の僕は真っ赤だろう。
『えと…。あのっ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・添い寝してください』
いってしまった。
けれど本来の目的はそうなのだ。
『ブラッド?』
ブラッドをみると・・・硬直 してる。
え。
がんばっていったのに・・・
「それは……。よろこんでお受けしよう」
いいんだ!?。
つっこまないんだ?!。
『っ!!』
ブラッドは僕を軽々と抱き上げ、ベッドへとおろした。
つづいてブラッドも隣に寝そべる。
(はずかしいっ・・・・・・)
『えと……。その……。ありがとう』
恥ずかしくてシーツに顔をうずめる。
「どういたしまして。私もしてやられたな。」
『?』
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次の日__
『ちょっとセクハラしないでよ』
「おや……この間の夜は積極的だったのに」
『あれはナイトメアがっ・・・』
____ゴトッ
ん?
ゴト?
「そういうことだったのか!わりぃ!気づかなくて!うんうんそうかそうか・・・」
自己解釈しているのはエリオットだ。
『あの……?エリオット。なんか勘違いしてない?』
なぜだろう。悪い予感しかしない…。
「大丈夫だ!わかってるって!俺にまかせとけよ!」
ふんふんふーん♪と口ずさんで嬉しそうに駆けていくエリオット。
『ちょっとどうするんだよ。おめでたい勘違いしちゃったじゃんか!』
ブラッドを睨み付ける。
「ふむ…。《嘘を突き通せば真になる》」
『はぁっ!?』
「さてリナリー。今夜から私の部屋で寝なさい」
『ブラッドのばかぁぁぁぁっ!』
乙女心を何とおもっているのか我が主。
僕が好きという日ももうそろそろ?
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〜あとがき〜
微妙にかきたいのがあったのでかきました。
もう少し二人をくっつけてよかったかなぁ?
この通り文章力の無い私ですが、よろしくお願いします!
_まゆら_