プルルルプルルルプルルル
最近新しくした、スマートフォンがポケットの中で振動をおこす。ジリジリと数秒すればしずかに止まる。見たくないけど、見なければいけないのか。私は葛藤と闘う末結局は携帯をみる。

xx/xx/xx 11:00
From.神宮寺レン
無題
――――――――――――
レディ、後ろみてごらん
    ‐END‐


あー、やっぱり見ない方がよかったのかとさっきの選択肢を後悔する私。恐る恐る後ろを振り向く。


「レディ、探したよ」
そういって私を後ろからぎゅっと包まれればふわりと笑う彼。

「いや、離してね」
それに断固否定する私。そんなやり取りは毎回のこと。あんなにもてる神宮寺クンが私に絡んでくる理由はなぞ。どんなに否定しようが周りに見られようが彼はおかまいなし。ほら、現に今もヒソヒソと友達通しで私たちを見ている人もいればキャー神宮寺クンと声を高らかにあげている人もいる。


『あ、あのね//、いつも言うけどこの公共の場所で抱きついてくるの辞めてもらっていい?』


「辞めてほしいのが本性かな?。」

『はっ?』


「それとも、照れてる君が本性なのかな」

『っつ…//』


「そんな、レディもかわいいよ」

耳元で静かに囁かれる神宮寺クンに不覚にもドキッとしてしまう。



「それにしても」
まだ抱きついた状態で話しかけられる。いい加減離して欲しいものだけど男の力には勝てまいとおもい抵抗するのをやめているのは前からのはなし。


『なに?』

「レディ携帯を新しくしたんだろ?着信」

『えっ?』
言っている意味がわからない。私の携帯に何かあるのかと思い取り出すとその携帯が後ろから手を伸ばされれば自分の手元からなくなる。


『ちょ!!』


慣れた手つきで携帯を触っている神宮寺クンをみて、なにをしているのかわからない。


『なにしてるの?』

「これでおっけいかな」
ポチポチと触りおえるとハイッといって携帯を返される。


『だから、な…』


「まあ、落ち着いて」
そういって神宮寺クンに口を人差し指で押さえられる。そして今度は自分の携帯を操作すると私のところにマークが点滅する。メールがくる合図。


〜♪♪


『えっ…着信…』
それは前に神宮寺クンが弾いてた曲。私がとても気に入ってた曲でまえに一回だけ伝えたことがあった。でもどうしていきなり着信になったのだろう。そう思うとまたマークが点滅する。
プルルルプルルルプルルル
今度はバイブだ。中を見ると友人からだった。
とゆうことわ…


『も、もしかして…』


「そうゆうことかな。レディ、これからはすぐに俺からのメールだってわかるよ」

そう顔を近づけて言われると、もおこのひとには敵わないんだと実感させられた。