『っ…何で、何でっ』
俺の胸で泣くお前
でもそれを抱き締めることはできない
抱き締めてやりたいけど、だめなんだ
『おねがい、ギュって…ギュってしてよ』
「ごめん」
ただ謝ることしかできねー。
「私の何がダメだった?ねえ、言って。言ってくれたら直すから」
俺の胸をドンと叩いて目線を上に向けてきた
お前のせいじゃないんだ
俺には目指すものがある。その夢を叶えるためにはこうするしか方法はねえんだよ。
みょうじを俺から静かに離す
まだ顔をあげれないみょうじをみて座り込む
こんなときどーしたらいいんだよ。
まじで泣かれんのは苦手
「なまえ」
『…!』
はじめて呼んだ
驚いた様子か、目を見開いている
ほんっとこいつかわいいな
けど
「なまえ」
もう一回名前を呼ぶ
『…』
なまえより身長が少し高い俺はあいつに視線を合わすように少ししゃがむ
「んな顔すんな。泣いてるお前はお前じゃねーよ。」
『…』
「だから」
頭の上に手を置く
「だから、笑えよ」
これが、お前に言える最後の願い