いつも、いつも遠くからあなたをみる。
付き合ってる称号だけがある私たち。
ほんとに形だけとはこのことを言うのかな。



でも、そんな恋に終止符を打つときがくる、いや、私から打たなきゃいけない。
『…グスッ』

「レディ、泣かないで」

いつからだろ、私を名前で呼んでくれなくなったのは。
困った顔をするレン。そんな顔しないで



『…グスッ…ねえ、レン?』


視界がぼやける。
最後の最後のレンの姿。しっかりやきつけないと。

「どうしたの?」

私の頭に手を置いてレンがしゃがんでくれて私と同じ目線になる。


『グスッ』

(別れよっか)この言葉が言えない。



「なまえ」
『えっ?』



頭が真っ白になる。レンが私を名前で読んでくれた。この感覚はいつぶりだろうか。
『レ…レン?』

「俺は、知らないうちにレディを困らしてたみたいだね」


少し切なそうな表情をするレン。
胸が張り裂けそうになる。
『レン…そんな…』
(そんな顔しないで)
そう言おうとしたときフワットした感覚が私を包み込む。


『レン…?』


「わかれるなんて言わないでほしい」

まるで私の言いたい事がわかったみたい。
小さく囁くレン。


『私も…別れたくない…』別れたいはずがない。大好きな大好きな大好きなレン。別れを告げるなんて無理だよ。



『ねえ、レン。1つお願い聞いてもらっていい?』


「レディの言うことならなんでもきくよ」


『それなんだけど…』


「?」

『レディじゃなくて名前で呼んでほしい。』

私が言いたかったこと。心から伝えたかったことだ。


レンの方をみる。






チュッ

『へっ…//』


「レデ…いや、なまえのお望みなら喜んで。」

そういったレンは
余裕そうなえみを浮かべた。