『んっ…?』
布団の中から違和感を感じる。
いや、少しではなく、これは確実に中に何か入ってる勢い。勿論ネコや犬はわたしの寮では飼っちゃ駄目だから












『トキヤ何してるの。』


正体は紛れもなく私のペアであってひっそりと付き合ってるトキヤ。
声を掛ければガサガサと布団から出てくる。一枚の布団の中に二人がおさまるといったとても窮屈な状況。


『ちょ、トキヤ//近い』

その上かなりの至近距離。シングルベッドの上にお互い顔を見合わせた状態。




そう考えていたと思えばそのままトキヤが私をむぎゅっと抱き締めて顔に肩をうずめてきた。


『トキヤくーん。どうしたのかなっ?』


子供をあやすかの様に喋りかける。


「別に、なんでもないにゃーっ」

いつもよりキーが少し高いHAYATOを肩に顔をうずめながら演じられる。


『ふーん。なるほど。』

私にはわかる。
都合が悪くなるとトキヤはHAYATOになる。
てことは…


「素直じゃないよ、トキヤくーん?私に甘えたいんでしょ!?」


いや、これは疑問系ではなく確実に甘えたいんだ。じゃないとまずベッドに入ってこないしね。


「なっ…//そんなことは…」

慌てた様子で
HAYATOからトキヤに変わる。


「…」

『……』


素直じゃないトキヤに少しだまってみると向こうから口を開く。

「……なまえ。」

『んっ?』

耳元で囁かれて少しこそばゆかったけど、トキヤの声が心地よかったりする。


「ぎゅってしてもらえませんか。」


やっと言った最大限のトキヤの甘えた言葉。
そんなトキヤが愛しすぎて


『ぶっ…トキヤかわいいっ』

つい笑と本音が出てしまった。

少し我慢すればよかったのだと後悔する。


「かわいいと言われても嬉しくはありませんが…」



『げっ…』

視界が回転して上にはトキヤの顔がある状態になる。
そしてニット笑うトキヤ。このスマイルは…


『HAYATO…』


「今夜はたーっくさん甘えさせてにゃっ?なまえちゃん〜?」


都合の悪いときだけほんとHAYATOになるのはやめてほしい。

そんなことを思う一日でした。