タッタッタッタッ
『いたー!トキヤー!!!!』
そういって数メートル前に歩くトキヤを見つければ人目を気にせずに後ろから抱きつく。こんなのしょっちゅうのこと。
「なっ!!」
急に驚いたのか後ろから抱きついた衝撃でトキヤの声がもれる。
『へへ〜。誰だと思う〜!?』
「こんなことをするのはなまえあなたしかいません。」
『正解』
振り向くトキヤに手で小さく丸を作る。
「はあ。。このようなことは人前では控えてくださいといっているでしょう」
『え〜…だって…』
「だっても何もありません。いいから離れてください」
グサッと効果音がついてもいいくらい私の心に何かささったようなおとがした。そりゃあ、私が悪いけどそんなに嫌そうな顔しなくてもいいじゃんね。仮にも私はトキヤの彼女なんだしさ。
『いやだいやだいやだ!』
心でブツブツ言っている間に感情が表に出てしまい少し多きな声をだしてしまう。トキヤもびっくりしただろう。
「(はあ…)仕方ありません。人前では避けたかったのですが」
ため息まじりに意味深なことを伝えるトキヤ。これわ…
『まさか…』
「正解〜!そのまさかだにゃ!?なまえちゃん〜?」
『は、はやと…』
そう、私が一番苦手とするはやと。トキヤは冷静であまえがいがあるんだけど、はやとのあのテンション、私はほんと苦手なんです。できるだけはやとにはならないでと頼んであるのに。
「な〜んでそんなわがまま言ったのかにゃ?」
『いや、それは、はやとに言ったんじゃなく…』
どぎまぎする私にはやとが無邪気に笑う。ほんとに苦手。
「なまえちゃんは僕とこうしたかったんだよね〜っ?」
そうはやとが言えば私をぎゅっと抱き締めてくる。
『ちょ!待って!離して!』
「離さないよ〜?」
私の力ではやとを精一杯離そうとするも、男の力には勝てるはずもなく、すぐに抵抗するのをやめた。
『はあ…』
「クスッ。これでわかりましたか?」
『トキヤ…!!』
私があきらめたのを見計らってトキヤに戻る。
『はやとにならないでっていったじゃん…』
「すみません。あなたがはやとを扱う時があまりにおかしかったもので、つい調子にのりすぎました。」
『…//』
クスッと笑うトキヤに少し心臓が跳ねる。
『トキヤ…ごめん…』
「おや、あなたが謝るなんて珍しいですね」
じぶんがほんとにはやとが苦手なのだと改めて実感。もお、なってほしくないため一様トキヤに謝る。
「はやと効果が利いたようですね。」
『う、うん。ほんとはやと苦手かも』
そういって苦笑いする私。もお絶対になってほしくない。
『もお絶対にならないでね。』
そう伝えたらトキヤもわかってくれるはずだと思ってた
のに…
「気が変わりました。」
『へっ!?』
頭にハテナがたくさん浮かぶ。
「あなたがいつも私を困らせているように私も今日はあなたを困らせます」
耳元で囁かれれば、ニヤリと私の顔をみて笑う。
これは…まさしくデジャブ…
「おーはやっほー!僕の彼女さんっ♪」
これは私が一番嫌いな企画。
『ぎゃー!おねがい、やめて…!』
今日は一日はやとに振り回されそうです。